長崎市職員が生活保護手続きを怠慢 市は「信頼回復に向け対策していく」

しらべぇ / 2019年8月10日 8時0分

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(metamorworks/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

市民の最後の砦といえる生活保護。厚生労働省によると、2018年6月現在、全国の生活保護受給者数は214万5415人となっている。そんな中、長崎市で生活保護の一部が支払われない事態が発生したが、その原因は職員の怠慢だった。

その実態を探るべく、しらべぇ取材班は、長崎市役所を直撃。


■家庭の事情で…

長崎市は、生活保護の支給手続きを怠ったり、個人情報が記載された書類を紛失したなどの理由で、40代の女性職員を戒告の懲戒処分とした。市の調査に対してこの職員は「新たな相談業務が多く、支給変更手続きに手が回らなかった。家庭の事情で職務に専念できなかった」と話したいう。

市によると、戒告の懲戒処分を受けたのは、長崎市中央総合事務所に勤めていた47歳の女性職員。この女性職員の問題により、市から2つの事業者と12世帯に対して、合わせて約141万円が支払われなかったという。

このほかにも、9世帯から合わせて約298万円を返還してもらう手続きも怠っていた。


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■次々に不適切な行為が発覚

この事実は、市の事業者から障害福祉課への相談で発覚した。この事業者には、市から生活保護受給者へ支給したコルセット代が支払われることになっていた。しかし、支払いが行われないため、事業者はこの職員に対して、何度も催促していたという。

請求から二年後に代金約7万円をこの職員が、私費で支払っていたという。この事態もあってはならないことと市は話す。この事実を聞いた福祉課の職員が市に報告を行い、調査を開始したところ、次々に不適切な行為が発覚。

支払いが行われていなかった世帯は、障害の程度が変わったなどして、受給額の変更を請求していたところだった。変更前の金額は支払われていたため、発覚が遅れたという。

また、返還を行うべき世帯は、一時的に収入があった、または入院給付金を受給したなどの世帯だった。入院給付金の受給などは担当のケースワーカーが認知できる仕組みになっている。


■管理監督責任も…

当時の係長と課長に対して、管理が充分でなかったとして、市は文書訓告の処分も下した。市は再発防止策として、「職員間の相互チェックを強化し、未処理案件がないかどうかの確認をしっかり行っていく。そしてそれを上司が確実に把握していく体制を整える」と述べた。

総務部長は、今回の件に関して、「生活保護受給者の皆さんにご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申しあげる。市民の皆さんの信頼回復に向けて、対策をしっかりやっていく」とコメントした。

職員の家庭の事情で職務が滞ることはあってはならない。上司のバックアップ、課全体の早急なチェック体制の構築が求められている。


(文/しらべぇ編集部・おのっち

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