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平成の神器・家庭科のドラゴンに異変 メーカーの明かす設定が「中二の極み」だった…

Sirabee / 2024年7月6日 11時0分

平成の神器・家庭科のドラゴンに異変 メーカーの明かす設定が「中二の極み」だった…

(ニュースサイトしらべぇ)

幼い頃にサッパリ分からなかった事象の魅力が、後年になって分かるのはよくある話。やや異なるパターンで、かつて大好きだったものが幼く感じられて敬遠しだすも、ある年齢に達すると「一周回ってカッコいい」と感じられた経験はないだろうか。

現在X上では、平成の少年たちのハートに火をつけた「家庭科のアイツ」に注目が集まっている。

 
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■この黒龍、見覚えが…?

ことの発端は「株式会社サンワード」アカウントが、1日に投稿したポスト。

集中線を纏った雄々しい漆黒のドラゴンのイラストをアップし、「こんばんは! コミケ参戦します!! よろしくどうぞ!」と、「コミックマーケット104」への参戦を表明したのだ。それにしてもこのドラゴン、なぜか初めて見たような気がしない…。

こんばんは!コミケ参戦します‼
よろしくどうぞ!#家庭科のドラゴン#裁縫セットのドラゴン#コミケ104 pic.twitter.com/a5gvmqblku

— 株式会社サンワード【公式】 (@sunward_info) July 1, 2024

その正体は、ポスト内のハッシュタグにて「家庭科のドラゴン」「裁縫セットのドラゴン」と明かされていたのだ。

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■そもそも「家庭科のドラゴン」って何だ?

「中学2年生頃の思春期に見られる、背伸びしがちな言動」を指す「中二(厨二)病」という言葉があるが、小学校中学年〜高学年に差し掛かる男子たちには、その前段階とも言うべきステップが存在する。

ペーパーナイフとしても使える「伝説の剣」を模したキーホルダーや、修学旅行のお土産屋で目にした木刀など、内に秘めた闘志に呼応するが如く「尖った」存在に魅了されるのは、多くの少年たちにとって言わば「通過儀礼」なのだ。

学習教材として小学校で購入する家庭科の「裁縫セット」や「エプロン」にもその影響は及んでいる。年齢に関係なく使えそうなシンプルなものから大人びたデザインが揃っている中、なぜかドラゴンをデザインした個体が存在するのだ。

家庭科のドラゴン

長い目で見れば「シンプルなデザイン」を選択すべきだが、若き少年たちの刹那的な衝動と感性を侮ってはいけない。早熟な女子たちが大人びたデザインを選択する中、少年らの大半はこの、いわゆる「家庭科のドラゴン」を選択していく。

そして「俺の相棒」的な存在としてドラゴンとの絆を深めていくが、中学校に入学する頃には、このドラゴンが妙に子供らしく感じられてしまう。

こうして一人、また一人とドラゴン離れを済ませていくが…遠い海へ渡ったサケが生まれた川に帰ってくるように、年月を経てから再度ドラゴンの魅力に気づくのもお約束。

現にネット上では、数年前より定期的に「家庭科のドラゴン、懐かしすぎる」「あの頃と変わってなくて嬉しい」といった、かつてのドラゴン使いたちの声が上がっているのだ。

そこに来て届けられた「家庭科のドラゴン、コミケ参戦」の報はアラサー、アラフォーになった元ドラゴン使いらのハートに火をつけ、件のポストは投稿から2日足らずで2万件以上ものリポストを叩き出すほど大きな話題に。

しかしなぜ、ここに来てコミケ参戦を決めたのか? サンワードに取材を行ったところ、勇敢なドラゴンも思わず涙を流す、感動の舞台裏が明らかになったのだ。

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■それにしてもこのメーカー、ノリノリである

「家庭科のドラゴン」の歴史について、サンワード担当者は「20年ほど前、男の子向けならばスポーツ柄が主流だった裁縫セットですが、メーカーの新学社様より『ドラゴンなどはどうか』という提案を受け、それに応える形で制作したのがきっかけです」と振り返る。

裁縫セットはもちろん、エプロン、彫刻刀、ナップザック、クッション等に使用されていたそうだ。

家庭科のドラゴン、シャチ

そのコンセプトについて、担当者は「天空の帝国を守護する、重力を司る神獣ルールレジェ。黒を基調とした、リアルで躍動感溢れる力強いデザインが、多くの男児に強くアピールします」と、曇りなき真っ直ぐな眼(まなこ)で説明しており、完全にノリノリである。

「天空」の「帝国」を「守護」する「黒龍」というギャップあるバックグラウンドに加え、メジャーな炎や雷でない「重力」を司る(「操る」でないのが素晴らしい)センスに、心躍らない少年などいるだろうか(いや、いない)。

コミケ参戦の背景については、「2023年にも一度『家庭科のドラゴン』がXで話題になり、そして今年2024年が辰年ということもあり、『ブラックドラゴンを飛躍させたい…! 何か今までにしたことが無いことをして盛り上げたい!』という気持ちから、コミックマーケットへの参加を決意しました」と、ドラゴンの炎のように熱いコメントを寄せてくれた。

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■根強い人気を誇る理由は…

00年代に誕生した「家庭科のドラゴン」がいまだ根強い人気を誇っている件について、サンワード担当者は「20〜30代の方からの認知度が高く、当時『家庭科のドラゴン』を使っていた懐かしさや、その方々が親世代になったときに自身の子どもの世代にも、まだ『家庭科のドラゴン』が存在することから『話題にしやすい』といった点から、長く支持を頂いているのかな、と感じております」と分析していた。

そんなサンワードは、オリジナルキャラクターの企画製作会社として、様々な提案を行っている。

スキップバニー

担当者は「近年、多種多様なキャラクター達が生まれては消えていくのが現状です」と前置き。

続けて「そこで我われサンワードは『永遠に生き続けるキャラクターを育てていきたい』 というコンセプトを元に探求し、展開してまいりました」「キャラクターの明確な将来への展望を持ちつつ、トータル的なデザインを見据え、スタッフ一人ひとりが多様なアイデアを活かし、能力を発揮できる企業であることを、心がけていきたいと考えます」と、今後の展望を語ってくれたのだ。

ボブドッグ

コミケで展開するグッズに関しては、まだ公表を控えているそう。

しかし今後の展開については、同社キャラクターを使用した玩具や食器の発売が決定したほか、今回話題となった「家庭科のドラゴン」が登場する楽曲を含むミニアルバムを今月リリースしたバンドも登場。ますます広がる「家庭科のドラゴン」の世界には期待がますばかり。

今年の日本の夏は「ドラゴンの夏」となることだろう

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

小学校の裁縫箱は「オーシャン」を選択。


(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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