6度流産した妻に捧げる愛…エピソードや背景に心打たれる洋楽R&Bの名曲4選

しらべぇ / 2014年11月7日 20時0分

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洋楽のフェイバリットを選ぶ際、歌詞に重点を置いて選曲する人は少数派だろう。日本人は英語を理解できない、というシンプルな理由が挙げられることは言うまでもないが、いわゆる“名曲”と位置付けられる曲の多くには、調べてみると素敵なエピソードや心打たれる背景が秘められているものが多数ある。

ルックスだけで人を好きになるわけではないのと同様に、数々の名曲も、その美しいメロディーだけでなく歌詞や制作者の想いといった“中身”を含めて愛されているというわけだ。今回はそんな、曲に込められた深い想いに心打たれる洋楽を、ソウル・R&Bのジャンルから4曲紹介しよう。

●『Gone Too Soon』/マイケル・ジャクソン

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1991年に発売されたマイケル・ジャクソンのアルバム『デンジャラス』に収録され、シングルカットもされた1曲。この曲は、1990年4月にエイズのため18歳の若さで亡くなったライアン・ホワイトへの追悼曲だ。

ホワイトは血友病患者として輸血治療を受けていたが、13歳の時に汚染血液製剤からエイズに感染。1984年当時、エイズはほとんど理解されていない病気だったため、ホワイトは学校を追放されるなど厳しい偏見や差別と戦い続けることとなってしまった。

その後、エイズに関する広報活動に積極的に取り組んだホワイトは、マイケルやエルトン・ジョンらと深い親交を持つことに。マイケルは、ホワイトの死後3年となる1993年の大統領就任式にて、ライアンのことを“親友”として話し、エイズ撲滅を訴えるスピーチをした後に同曲を歌った。この時のマイケルのスピーチとアクトは、政府をも動かすことに。

自然の中に在る美しいものをいくつも挙げながら何度も「Gone Too Soon」(あまりにも早く逝ってしまった)と歌う同曲の歌詞からは、マイケルの深い悲しみと愛が伝わってくる。

●『Bonus Track』/R・ケリー

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そんなマイケルに捧げられたのが、ビルボード誌が2010年に発表した「過去25年間におけるR&B/ヒップホップのトップ50アーティスト」で第1位となったR・ケリーのこの曲だ。

これは、2010年に発売されたアルバム『Love Letter』の最後に収録された1曲で、オフィシャルの表記が“Bonus Track”となっている。しかしその中身は、その前年2009年に亡くなったマイケルへの追悼曲であり、歌われているのは、Rケリーが1995年にマイケルに提供した全米初登場第1位のヒット曲『You Are Not Alone』。いわば、セルフカバーである。

Rケリーはこの“Bonus Track”のイントロで、「My hero, MJ. Foreever.」と一言。その瞬間から心打たれる。

●『Dance with My Father』/ルーサー・ヴァンドロス

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あらゆるアーティストが敬愛してやまない伝説的歌手、故ルーサー・ヴァンドロス(1951年~2005年)。そんなルーサーが2003年にリリースした大ヒット曲が、この『Dance with My Father』だ。

同曲は、ルーサーが8歳の頃に亡くなった彼の父のことを歌った曲。「まだ無邪気な子供の頃、父は僕のことを高く上げて、母と一緒に踊り、僕が眠くなるまでくるくる回ってくれた」と記憶を呼び起こして歌う歌い出しから涙腺をくすぐる。

ルーサーは、この曲をレコーディングした直後に脳卒中で倒れ、同曲が2004年のグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞した授賞式もVTRでの登場となった。そして、2005年に死去。同曲の入った同名アルバムは、ルーサー最後のスタジオ(オリジナル)アルバムとなってしまった。『Dance with My Father』を聴くと、天国で父と踊るルーサーの姿を想像せずにはいられない。

●『More Love』/スモーキー・ロビンソン

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最後に紹介するのは、妻への深い愛の歌。モータウンレコードの看板アーティスト、そして副社長として文字通り率いてきたスモーキー・ロビンソンが「スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ」時代の1967年にリリースしたシングルだ。

スモーキーの妻クローデットは、ミラクルズのメンバーだった。そのため、夫やグループに迷惑がかからないよう、自らの妊娠を隠したままツアー活動に参加。結果流産してしまい、その後も流産をかさね、計6度もこの不幸を体験することとなってしまった。

クローデットは、夫スモーキーへの罪悪感にさいなまれたが、そんな時に彼が書いて妻に捧げた1曲が、この『More Love』。「僕はキミのためだけにある」と歌い出し、より強くなる妻への愛を歌うこの曲。この曲のリリース後、2人は無事子供を授かることになる。(しかし、1986年に離婚することとなってしまう…。愛の儚さを考えるきっかけの1曲にもなる?)

このように、名曲の背景にはさまざまなエピソードや背景があるもの。普段聴いているお気に入りの洋楽について、時間を持て余した時に調べてみては?

(文/しらべぇ編集部・宇佐美連三 http://sirabee.com/author/renzo_usami/ )

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