【出口博之のロック特撮】子供には少し早い!?大人が楽しむとっておきの特撮曲

しらべぇ / 2014年12月2日 11時30分

こんにちは、白ポロ+眼鏡でおなじみのMONOBRIGHT、ベースの出口です。

私は近年、バンド以外にも特撮曲やアニソンを中心に扱うDJもさせて頂いておりまして、特撮関連の楽曲に触れる機会が多々あります。選曲の基準はその時によって様々ですが、中には「この曲、ちびっ子には理解し難いんじゃないかな」という、大人になって理解できる曲も存在します。

第二回コラム「人生に疲れたら『あの主題歌』を聴け! http://sirabee.com/2014/11/03/5699/ 」では「主題歌」を取り上げましたが、今回は「大人になった今だからこそ面白さが理解出来る」曲を取り上げてみたいと思います。

■音楽的偏差値が異常に高い、マニアックな楽曲

少し音楽的なお話をします。

音楽の基本には「拍子」というものがあります。リズムに合わせて「1、2、3、4、2、2、3、4」と数えるアレです。4つ数えて次の展開に行きたくなるのが4拍子で、「1、2、3、2、2、3」と3つ数えて次に行きたくなるのは3拍子となります。3拍子の代表曲は小学校の縦笛でおなじみの「エーデルワイス」が判りやすいですね。

特撮曲において重要な要素の一つに「初めて聴く曲でも一緒に歌える判りやすさ」が挙げられますので基本的に4拍子の曲が多いのですが、この不文律に全く当てはまらない楽曲が存在します。それは「JIKU~未来戦隊タイムレンジャー~ / タイムレンジャーOP」です。判りやすい曲であるべきOPなのに、この曲はプログレッシブ・ロック(プログレ、と略します)なのです。

プログレッシブ・ロックとは、簡単に言うと「とても前衛的なジャンルで、演奏する側・聴く側の双方に、ある程度の音楽的・芸術的素養が要求される」音楽です。そのプログレの難解さの代表例が「変拍子」と呼ばれる拍子です。

楽曲の中で前述の「1、2、3、4、2、2、3、4」のルールを大きく逸脱した展開、例えば「1、2、3、4、5、2、2、3、4、5」の様な展開が差し込まれたりします。タイムレンジャーのOP曲は、本来、一番盛り上がるサビの場面で急に拍子が変わります。それもかなり難解な拍子に。ノリノリで歌おうと思っていたちびっ子(自分含め)は面食らうでしょう。特撮曲の中で音楽偏差値の高い、特殊な曲の一つと言えます。

■夜のバーがよく似合う、渋くお酒を楽しめる曲

都会の喧噪を離れ、薄暗いバーのカウンターでグラスを傾ける。男ならこんなシチュエーションに憧れると思います。その時にぴったりな曲は「おれの名はマシンマン / 星雲仮面マシンマンED」です。

イントロのサックスがたまらない色気を放ち、酸いも甘いも知り尽くした大人の世界が広がります。広がり過ぎてもはや18禁です。それもそのはず、作曲は「ルパン三世」「コブラ」でもおなじみの大野雄二先生。危険な大人の色気を表現する手腕は折り紙付きです。

ちなみに、マシンマンのストーリーは、大学の卒業論文を書くために地球を訪れたプレアデス星団 アイビー星人のニック(地球での名は高瀬健)がひょんな事から地球を守るという、コメディタッチの作品になります。残念ながら大人の色気はEDだけです。

写真2

■意味がない様に見えて意味があると思わせるも、結局意味が分からない曲

読者諸兄の皆様は「電波ソング」というものをご存知でしょうか?

昨今のアニソンやアイドルの楽曲に多く見られるタイプの楽曲ですが、その先駆けと言っても過言ではない、時代を先取りし過ぎてしまった曲が「ぴんく、ピンク、PINK! / どきんちょ!ネムリンOP」です。特筆すべき点は、何と言っても歌詞に尽きます。

前向きな言葉が多く、一緒に歌っていると気持ちが高揚してくる歌詞が特徴の特撮曲の中で、この曲に出てくる「脳みそピンクに きめてみよう」のインパクトは異質中の異質。何かもうヤバい匂いが漂ってきそうです。

「どきんちょ!ネムリン」をはじめとする「東映不思議コメディシリーズ」の作風の特徴の一つには「破天荒な不条理ギャグ」という部分がありますので、ネムリンのOPには東映不思議コメディシリーズの作風がよく現れている、とも言えます。

■ぜったいに子供に歌わせたくない曲ランキング不動の一位

もうここまで書いた時点で、懸命な読者諸兄の皆様はお判り頂けたかと思います。

1972年に放映された「愛の戦士レインボーマン」に登場する敵組織「死ね死ね団」の登場曲「死ね死ね団のテーマ」があまりにも過剰過ぎて、子供はもとより誰かに勧めるのも躊躇する程の破壊力を持っています。その過剰すぎる歌詞の詳細は詳しく書けません。と言うか、曲の大半は「死ね」というフレーズに埋め尽くされています。

過激すぎる故にブラックジョークの一種にも感じますが、レインボーマン及び、死ね死ね団の背景を調べてみると、かなり重たい組織の成り立ちが存在します。ここでは紹介できない事がほとんどなので是非ともご自身の目でご確認ください。

いかがだったでしょうか?

今回紹介した楽曲は少しだけ特撮曲のセオリーから外れた部分がありますが、それぞれの作品を語る上では絶対に外せない楽曲達です。確かにある程度「大人」にならないとその面白さを理解する事が難しいですが、子供の感性はこの様な「ちょっと他とは違う部分」を敏感に感じ取る鋭い感性を持っていますので、曲だけは異常に覚えている、と言う人も多々見られます。

特撮曲を聴くと思いがけない所から当時の記憶が鮮明に思い出される瞬間があるかも知れませんよ。

(文/MONOBRIGHT・出口博之 http://sirabee.com/author/deguchi_hiroyuki/ )

しらべぇ

トピックスRSS

ランキング