【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】「ある」はずのモノが「ない」不思議

しらべぇ / 2014年12月4日 18時0分

どうも、最終的には絶対二択になるのに「YES」か「NO」かで答えられない質問をしてくるヤツが大嫌いな、ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹です。

このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。

■「ある」「ない」

「有る」「在る」「或る」、色々な意味がある言葉ですが、この「ある」という言葉の本質は「そこに存在していること」を示しているとみて間違いないでしょう。

そして、ちょっと哲学的なアプローチになりますが、「ある」という言葉が「ある」から「ない」という言葉が、存在します。インド人が発見したと噂の「0(ゼロ)」という数学的概念は、「1」という概念があったからこそ見つかったものなのです。

■「ある」が「ない」

こうした様々な「反対」であったり「足りない」ところを探していくことで、言葉の世界はより興味深いものになっていきます。

例えば「つまら“ない”」。これは「つまる」が「ない」から「つまらない」。

三段論法を駆使すると、「面白いの反対は、つまらない」→「つまらないの反対は、つまる」→「面白い=つまる」ということになります。

なにがどこにつまっていると面白いのでしょうか?調べてみたところ、「ツミ」「ツム」という言葉は将棋など、ゲームの終わりをあらわす用語として使われています。

どうやらこの「つまる」という言葉は、「終わり」を意味する言葉のようです。つまり(←この「つまる」も結論の意味で終わりをあらわしていますね)「つまらない」が「終わらない」を意味するのであれば、「終わらない=面白くない」ということになるのです。

ダラダラと終わらないものは「つまらない」ですものね。なんとなく、世界で初めて「面白くない」のことを「つまらない」と言った人の気持ちが、わかる気がします。

■「はしたない」「かたじけない」

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Photo by Griggzz https://www.flickr.com/photos/robertgriggsart/3266450747

「つまらない」という言葉には、先ほども書いたように「つまる」という、よく聞く反対の意味の言葉が存在するので考察しやすいのですが、厄介なのが「ない」は「ある」のに「ある」が見つけられない言葉たちです。

「はしたない」の「はした」って何ですか!? 基本的にエッチな女の子とかに使う言葉と認識しているんですが、では、エッチじゃない女の子は「はした」がある女の子なんでしょうか?

「はしたない」女の子には沢山出会ってきましたが、「はしたある」女の子には、一度も出会ったことがありません。「はした」がある人というのは、どういう人のことなんでしょうか?

時代劇でよく聞く「かたじけない」。これも「かたじけある」とか「かたじける」といった、反対の使われ方を聞いたことがありません。

「かたじけ」とは一体なんなんでしょうか? 「肩」から生えている「自毛」のことでしょうか?「かたじけない」は、目上に対して感謝や尊敬をあらわすときに使われますが、どこかの地方にでも肩から毛が生えていないと、見下される風習でもあったんでしょうか?

侍A「お前、肩から毛が生えてないな」

侍B「肩自毛ない」

こんなやりとりが転じて、人を敬うときに使う言葉になったとか…。

「ない」があるのに、「ある」がない。そんな言葉を探すと、言葉の見え方が変わってくるという、考察でした。

(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹 http://sirabee.com/author/yuuki_kuroda/ )

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