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「4630万円誤送金」現実的な返済の可能性を弁護士が解説「損害賠償請求で町職員の責任追及も」

SmartFLASH / 2022年5月20日 19時30分

田口容疑者逮捕をうけ、会見に出席した花田憲彦・山口県阿武町長(写真・朝日新聞)

「4630万円」という金額に、日本中が注目している。山口県阿武町が、新型コロナ関連の給付金の全世帯分を、ひとりの男性に誤送金してしまった問題だ。

男性は町からの返還要求を拒否、その後、連絡が取れなくなったため、町は訴訟を起こしていた。そして5月18日、警察は電子計算機使用詐欺の疑いでこの男性、田口翔容疑者を逮捕。取り調べに対し、容疑を認めているというが、全額を海外のネットカジノで使ってしまったという。

町は、弁護士費用なども合わせた計5100万円あまりの支払いを求めているというが、返済は可能なのだろうか。ネットでは、こんな諦観の声も多くみられている。

《金を使いきったとされてしまっては、刑事罰で責任を取らせても、金は返ってこない。少しずつ返すといってもこの男の収入ではほぼ終身ということになるだろう。ほとんどが回収できずに幕引きとなるのではないかと思う》

《刑事裁判で有罪判決が出ても執行猶予がつき、民事裁判では一円も回収も出来ない現実。もちろん働いて返す可能性は限りなく低い》

《返すのは良いが、どうやって返金していくんだろうか。正直、このような行いをする人を信用して受け入れてくれる会社はとても少ないと思われる》

田口容疑者が逮捕された今、本当に全額返還が可能なのか。牧野和夫弁護士に話を聞いた。

「返還される可能性は、かなり低いと思われます。刑事事件で起訴されて有罪の可能性があれば、執行猶予や減刑など、罪を軽くしてもらうために『被害弁償』で返済される可能性があります。親族や支援者が名乗り出て肩代わりするような形で返済される場合もありますが、今回は額が大きいですし、そうした支援者が現れる可能性も低いのではないでしょうか。

ネットカジノ業者などに送金された容疑者の預託金が一部残っていれば、そこから弁償という形になるでしょうが、あの送金の仕方を見ると、掛金預託金がなくなるとどんどんつぎ込んでいますから、もう容疑者の手元には残っていないんじゃないかと思います」

かりに自力での返済するとしたら、どのような可能性があるのか。佐藤みのり弁護士に解説してもらった。

「働いて得る給料に差し押さえをかけていく方法が考えられます。ところが、法律では給料の原則、4分の1までしか差し押さえができません。今回の金額を考えると、相当な高給でない限りは、何百カ月もかかってしまいますから、全額の回収は難しいように思います」

佐藤弁護士は、さらにもうひとつの可能性をあげた。

「誤送金をした町の職員や町長が、住民から責任を追及される可能性があります。町民が『住民監査請求』を起こし、町が職員個人に対して、損害賠償を請求するなどの可能性は、ないとは言い切れないかと思います。そうなった場合、町の職員からいくらか賠償されることで、4630万円、全額とまではいかなくても、町に戻ってくることはあり得ますね。

いずれにしても、お金のありかや、本当に全額なくなっているのかなどを明らかにすることが先決ですね。形が変わっていても資産が残っていれば、いくらか返済はできますので、まずはそこを確認することが重要だと思います」

5月20日、田口容疑者の自宅が家宅捜索された。誤送金された4630万円のうち、本当に手元には何も残っていないのか、追及が急がれる。

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