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見逃せない! 11月8日の皆既月食では月が天王星を隠す「天王星食」も見られる

sorae.jp / 2022年11月7日 19時55分

【▲ 石垣島天文台で撮影された2021年5月26日の皆既月食(Credit: 国立天文台/堀内貴史)】

【▲ 石垣島天文台で撮影された2021年5月26日の皆既月食(Credit: 国立天文台/堀内貴史)】

2022年11月8日の夜、月が地球の影に入る皆既月食が起こります。同年5月16日の皆既月食は昼間だった日本で見ることはできませんでしたが、今回の皆既月食は2021年5月26日以来およそ1年半ぶりに、日本全国で観察することができます。

実は今回の皆既月食では、皆既食中の月が天王星を隠す天王星食も同時に起こります。月が惑星を隠す「惑星食」そのものは決してめずらしい現象ではなく、2022年では5月27日と7月22日に金星食と火星食が起きています。しかし、月食と惑星食が同時に起きるのはめずらしいことで、日本で“皆既食中”の惑星食を観測できるのは1580年7月の土星食以来442年ぶり、“月食中”まで範囲を広げても2014年10月の天王星食以来8年ぶりとなります。

次に日本で見られる月食中の月による惑星食は、322年後の2344年7月26日に起きる皆既食中の土星食までありません。つまり今回は、いま生きている私たちが月食中の惑星食を日本国内で観察することができるラストチャンスというわけです。

■皆既食は19時16分~20時42分までの86分間 【▲ 2022年11月8日の皆既月食における地球の影に対する月の動き(Credit: 国立天文台)】

【▲ 2022年11月8日の皆既月食における地球の影に対する月の動き(Credit: 国立天文台)】

国立天文台によると、2022年11月8日の月食における部分食の始まりは18時9分、月全体が地球の本影に入る皆既食の始まりは19時16分、食の最大(食分1.364)は19時59分、皆既食の終わりは20時42分、部分食の終わりは21時49分です。地球の本影に隠れた赤銅色の月が見られる皆既食は86分間続くことになります。

【▲ 2022年11月8日の皆既月食における月食中の月の位置(東京)(Credit: 国立天文台)】

【▲ 2022年11月8日の皆既月食における月食中の月の位置(東京)(Credit: 国立天文台)】

東京における月の高さは、部分食の始まりが18.3度、皆既食の始まり~皆既食の終わりは31.7度~48.6度、部分食の終わりは61.0度です。食の最大における月の高さは札幌で39.9度、東京で40.2度、那覇で30.1度となっており、全国で観察しやすい高さの皆既食になるようです。

■新潟-東京から西の地域では皆既食中に天王星食が始まる 【▲ 2022年11月8日の皆既月食と同時に発生する天王星食の各地の予報(Credit: 国立天文台)】

【▲ 2022年11月8日の皆既月食と同時に発生する天王星食の各地の予報(Credit: 国立天文台)】

また、国立天文台からは注目の天王星食に関する予報も発表されています。

月が天王星を隠し始める潜入開始の時刻は場所によって異なり、札幌は20時49分、東京は20時41分、那覇は20時13分。天王星が現れ始める出現開始の時刻も同様で、札幌は21時47分、東京は21時22分、那覇は20時54分です。おおむね新潟-東京から西の地域では20時42分までの皆既食中に天王星食が始まり、それよりも東の地域では皆既食が終わってから(月が地球の本影を出始めてから)天王星が隠れ始めます。

【▲ 国立天文台による2022年11月8日の皆既月食および天王星食の解説動画】
(Credit: 国立天文台)

国立天文台によると、天王星の明るさは約6等級で、薄い青色に見えます。皆既月食中の月は普段よりも暗いものの、6等級は条件の良い空でも肉眼で見える限界の明るさであることから、国立天文台は双眼鏡や望遠鏡の使用を勧めています。当日の天候次第ではありますが、機材をお持ちの方や準備できる方は、皆既月食と同時に起こるレアな惑星食を観察してみましょう!

 

関連:2022年5月の皆既月食を地上と宇宙から。小惑星探査機が撮った動画も

Source

Image Credit: 国立天文台 国立天文台 - 皆既月食・天王星食(2022年11月)

文/松村武宏

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