見上げた夜空の美しさ 天の川銀河中心方向のカラフルな星空画像が公開された
sorae.jp / 2022年12月10日 21時37分
こちらは、天の川銀河の中心方向に広がる星空。私たちが住む銀河を内側から見た姿である天の川は、無数の星々の明るい輝きと、黒い煙のような暗黒星雲に彩られています。
画像の中央、天の川の隣に写っているカラフルな星雲は、地球から約400光年先にある星形成領域「へびつかい座ロー(ρ)分子雲領域」です。へびつかい座からさそり座に渡るこの領域では、星の光を反射する反射星雲や電離したガスで輝く輝線星雲が広がっていて、そのなかではさそり座のアンタレスや、名前の由来となったへびつかい座ロー星などの恒星が光を放っています。へびつかい座ロー分子雲領域の上には、へびつかい座ゼータ星を取り囲む散光星雲「Sh2-27」も見えています。
また、へびつかい座ロー分子雲領域の右隣には、淡く輝く「対日照(たいにちしょう、たいじつしょう)」も写っています。対日照とは、黄道(こうどう、天球における太陽の見かけの通り道)に沿って見える淡い光の帯「黄道光(こうどうこう)」のなかでも特に明るい部分のことで、地球から見て太陽の反対方向に見えます。黄道光は黄道に沿って分布する塵(惑星間塵)が太陽光を散乱することで生じます。
この画像は、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)が2022年12月7日付で公開しました。まるで宇宙望遠鏡で撮影したかのような美しさですが、実際にはチリのセロ・パチョン(パチョン山)付近で撮影されています。セロ・パチョンにはジェミニ天文台の「ジェミニ南望遠鏡」をはじめとした観測施設が集まっているだけに、地上から見上げる星空も格別です。
なお、NOIRLabからは記事冒頭に掲載したものよりも高解像度な画像が公開されている他に、ブラウザで拡大表示できるバージョンも公開されています(URLを末尾に掲載しています)。こちらも是非お楽しみ下さい。
Source
Image Credit: NOIRLab/NSF/AURA/ P. Horálek (Institute of Physics in Opava) 紹介ページ(NOIRLab、英語) - https://noirlab.edu/public/images/iotw2249a/ ズーム対応版(NOIRLab、英語) - https://noirlab.edu/public/images/iotw2249a/zoomable/文/松村武宏
この記事に関連するニュース
-
緻密で柔らかそうな印象の渦巻銀河「NGC 2090」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月25日 21時46分
-
限界の40倍以上で成長? 初期宇宙の巨大なブラックホールをウェッブ宇宙望遠鏡が観測
sorae.jp / 2024年11月8日 21時53分
-
幻の銀河とも呼ばれる渦巻銀河「M74」 ウェッブ宇宙望遠鏡が再び撮影
sorae.jp / 2024年11月5日 21時23分
-
ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した小マゼラン雲の散開星団「NGC 602」
sorae.jp / 2024年10月28日 20時57分
-
ハワイの望遠鏡で撮影された“ペルセウス座”の楕円銀河「NGC 1270」
sorae.jp / 2024年10月27日 20時33分
ランキング
-
1「空中ドローン空母」をウクライナ軍が公開 自爆ドローンを複数搭載可能 創作物の話が現実に?
乗りものニュース / 2024年11月26日 11時42分
-
2風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
-
3真似できない「フェラーリ認定中古車」の仕組み 即納と価値向上を可能とした「お墨付き」制度
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 11時0分
-
4とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
5何歳の結婚が多い?結婚年齢ランキングの驚く実態 「晩婚化」という言葉を誤解していませんか
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください