2月6日は2023年で最も地球から遠い満月。どれくらい小さく見える?
sorae.jp / 2023年2月5日 17時30分
2023年2月6日の満月は、ちょっと特別な満月です。
2023年で最も地球から遠く離れた満月、つまり最も小さく見える満月なのです。
「月が遠く離れるってどういうこと? 月までの距離はいつも同じなんじゃないの?」と思われるかもしれません。
確かに、理科の教科書の図を見ると、月はきれいな円を描いて地球を公転しているので、地球からの距離は常に一定のように見えます。
しかし、実は月の軌道は正円(まんまる)ではありません。月はほんの少しつぶれた楕円形の軌道で地球を公転しています。そのため、地球から月までの距離は微妙に変化しているのです。
それに加えて、月の公転運動は太陽や地球の引力の影響を受けています。その影響は太陽と月の位置関係や、公転軌道上の月の位置によって変わるため、月の動きは非常に複雑になります。
以下の図は、2023年における月の地心距離(地球の中心から月の中心までの距離)の変化です。変化する距離の幅やサイクルが一定ではないことがわかります。
2023年で最も地球から遠い2月6日の満月は、地心距離は40万6000km、視直径(天体の見かけの直径)は約29分26秒角です。
いっぽう、2023年で最も地球に近いのは8月31日の満月ですが、この時の地心距離は約35万7000km、視直径は33分26秒角です。今回の満月と比較すると視直径は約1.14倍、面積は約1.3倍になり、その分だけ明るさも増します。
とはいえ、これくらいの差は実際の空では誤差レベルです。写真に撮って比較しない限り、違いはほとんどわかりません。
なぜかというと、月は見かけの大きさが意外と小さい天体だからです。
試しに、空に昇った月に向けて腕を伸ばし、小指を立ててみてください。月はあなたの小指にすっぽり収まってしまうでしょう。
見かけの大きさがこれほど小さいのですから、少しくらい大きくなった、明るくなったといっても、それほど変わったようには見えないのです。
月が小指より小さいと聞いてびっくりした方も多いのではないでしょうか。
空の低いところ、山や家のすぐ上に昇った月はとても大きくて、とても小指に収まりそうには見えません。
しかし、これは錯覚であって、実際に大きくなったわけではありません。月は山や建物に近い高度が低い時は大きく、高い時は小さく見えるのです。
その点でも、今回の満月は「小さな月」と言えます。満月の時、月は地球を挟んで太陽の反対側に位置するため、満月は太陽とは逆に夏は低く、冬は高く昇ります。2月6日の満月はの南中時の高度が77度と、天頂(90度)近くまで昇ります。
冷たい冬空にしんと浮かぶ小さな満月を見ていると、ふと世界から遠く離れてしまったような寂しさを感じます。
ですが、2月6日といえば立春(2月4日)を過ぎています。暦の上ではもう春を迎えていて、寒さもこれからだんだんと緩んでいきます。もちろん、季節のうつろいに合わせて、昇る満月の高度もだんだん下がっていきます。
柔らかな春霞に浮かぶ、大きな満月が見られる季節は、もうすぐです。
※2023年2月の満月は、暦要項によると「6日午前3時29分」頃となっています。
関連:満月・新月カレンダー 2023年
Source
Image Credit: PhotoAC, 国立天文台 国立天文台 - 2023年 地球から最も遠い満月(2023年2月)文/sorae編集部
この記事に関連するニュース
-
11月の満月「ビーバームーン」が秋の夜空に昇る
ウェザーニュース / 2024年11月16日 19時50分
-
あけおめ!? 2024年11月12日から火星の新しい1年が始まる
sorae.jp / 2024年11月12日 21時0分
-
土星初のトロヤ群小惑星「2019 UO14」を発見 水星以外の全ての惑星でトロヤ群小惑星を発見
sorae.jp / 2024年11月9日 20時57分
-
二重小惑星探査機「Hera」、日本製赤外線カメラで遠ざかる地球と月の撮影に成功
マイナビニュース / 2024年11月7日 18時32分
-
★2024年11月の天体イベント★ 月と惑星の接近に注目!流星群の出現も
ウェザーニュース / 2024年11月3日 9時0分
ランキング
-
1【加熱式湯たんぽ】電子レンジ対応なのに温めたら破裂→やけど どうして? 意外とやりがちなNG行為とは?
オトナンサー / 2024年11月25日 22時10分
-
250代おひとりさま、貯蓄が「400万円」は多い? 少ない? しっかり老後資産を増やすためには?
オールアバウト / 2024年11月25日 21時20分
-
3「お金がない」「残高を見るのが怖い」その悩みの名は貧困妄想!解決方法を心療内科で聞いてみた
よろず~ニュース / 2024年11月25日 15時0分
-
430kg痩せた木嶋佳苗死刑囚が「ダイエット記事」を有料公開。買ってわかった“木嶋式ダイエット”の有効性と限界
女子SPA! / 2024年11月25日 15時47分
-
5直前キャンセルが月100件も…これって泣き寝入り? 悩んだ店主、気軽な対策で激減「良い案ですね」
まいどなニュース / 2024年11月26日 6時55分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください