6億光年先のクラゲ銀河「JO204」 触手のような構造の正体とは
sorae.jp / 2023年4月14日 21時50分
こちらは「ろくぶんぎ座」の方向約6億光年先にある渦巻銀河「JO204」です。JO204は銀河団「A957」を構成する銀河のひとつ。中心部分とその周りを取り巻く渦巻腕(渦状腕)が明るく輝くJO204を、私たちは真横に近い角度から観測しています。
よく見ると、JO204から画像の下方向へと流れていく斑(まだら)模様の連なりのような構造が、幾つも写っていることがわかります。触手を伸ばしたクラゲの姿にも見えることから、このような銀河は「Jellyfish Galaxy(クラゲ銀河)」と呼ばれています。
欧州宇宙機関(ESA)によると、こうしたクラゲ銀河の“触手”は、銀河からゆっくりとガスが剥ぎ取られたことで形成されたと考えられています。銀河の集合体である銀河団では、銀河と銀河の間が銀河団ガスで満たされています。銀河団の中を移動する銀河がこのガスから動圧(ラム圧)を受けて自身のガスを少しずつ剥ぎ取られた結果、“触手”が形成されたのではないかというわけです。
この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータ(近紫外線・可視光線・近赤外線のフィルター合計6種類を使用)をもとに作成されました。ESAによると、ハッブル宇宙望遠鏡によるJO204の観測は、クラゲ銀河の“触手”にみられる星形成活動に関する研究の一環として行われました。こうした“触手”は極端な環境における星形成の一例を示しており、宇宙の他の場所における星形成の過程を理解する上で役立つ可能性があるということです。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として、ESAから2023年4月10日付で公開されています。
Source
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team ESA/Hubble - A jellyfish and the ram文/sorae編集部
この記事に関連するニュース
-
緻密で柔らかそうな印象の渦巻銀河「NGC 2090」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月25日 21時46分
-
溶け合うような“かみのけ座”の相互作用銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年11月11日 21時13分
-
どこかに写っている超新星 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した棒渦巻銀河「NGC 1672」
sorae.jp / 2024年11月6日 21時47分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 2021年と2023年に超新星が見つかった渦巻銀河「NGC 4414」
sorae.jp / 2024年11月2日 18時41分
-
じーっと見つめる目のような相互作用銀河 ハロウィンにあわせNASAやESAが紹介
sorae.jp / 2024年11月1日 16時58分
ランキング
-
1「お金がない」「残高を見るのが怖い」その悩みの名は貧困妄想!解決方法を心療内科で聞いてみた
よろず~ニュース / 2024年11月25日 15時0分
-
2話題の「異世界転移チャレンジ」を検証 手首に“690452”と書いて寝ると行ける?
おたくま経済新聞 / 2024年11月25日 15時0分
-
3歯磨きのあとに口をゆすいではいけない…毎日磨いているのにむし歯になる人がやっている「誤解だらけの習慣」
プレジデントオンライン / 2024年11月25日 6時0分
-
4「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
ねとらぼ / 2024年11月25日 13時52分
-
5斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月25日 11時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください