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耳で聴く「ソンブレロ銀河」 観測データを使用した作品をNASAが公開

sorae.jp / 2023年6月26日 21時30分

「おとめ座」の方向約2800万光年先にある銀河「M104(Messier 104)」は、メキシコの帽子ソンブレロに似ていることから名付けられた「ソンブレロ銀河(Sombrero Galaxy)」の愛称で知られています。ソンブレロ銀河は一見すると渦巻銀河に見えますが、実際には内部に渦巻銀河のような円盤構造を持つ楕円銀河であることが近年の観測で判明しています。

この特徴的な銀河の観測データを「音」に変換して20秒ほどの短い動画にまとめた作品を、「チャンドラX線観測衛星」を運用するスミソニアン天体物理観測所のチャンドラX線センターやアメリカ航空宇宙局(NASA)が公開しています。まずはその音色をお楽しみ下さい。

【▲ M104 Sonification of Chandra X-Ray Observatory, NASA Telescopes】
(Credit: NASA/CXC/SAO/K.Arcand, SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida))

このように非言語音を使って画像などの情報を伝える手法は「ソニフィケーション」(可聴化)と呼ばれています。ソンブレロ銀河のソニフィケーションでは、3つの宇宙望遠鏡の観測データをもとに作成された「音」が、画像を上から下に向かってスキャンするようにして再生されます。

背景の画像は上から順に「スピッツァー宇宙望遠鏡」で取得された赤外線の観測データ、「ハッブル宇宙望遠鏡」で取得された光学観測データ、チャンドラX線観測衛星で取得されたX線の観測データを示しています。スピッツァーはハッブルが捉えられない塵のリングを、チャンドラは銀河内に広がる高温のガスや背景のクエーサーなどから放射されたX線を捉えています。

チャンドラX線センターによると、スピッツァーのデータは弦、ハッブルのデータはベルのような音色、チャンドラのデータはシンセサイザーのように聞こえる音でそれぞれ表現されています。どのデータも明るいほど音量が大きく、かつピッチ(音高)が高くなる仕組みです。観測データが奏でる美しいメロディにしばし耳を傾けてみませんか?

 

Source

Image Credit: NASA/CXC/SAO/K.Arcand, SYSTEM Sounds (M. Russo, A. Santaguida) Chandra X-ray Center - Cosmic Harmonies: Sonifications From NASA Telescopes NASA - Cosmic Harmonies: Sonifications From NASA Telescopes

文/sorae編集部

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