ハッブル宇宙望遠鏡が科学観測を再開 一部機器は12月後半に観測再開予定
sorae.jp / 2023年12月9日 12時16分
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2023年12月8日付で、「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」が同日に科学観測を再開したと発表しました。発表時点では「広視野カメラ3(WFC3)」と「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」の運用が再開しており、「宇宙起源分光器(COS)」と「宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)」は2023年12月後半の運用再開が予定されているということです。【最終更新:2023年12月9日10時台】
既報の通り、ハッブル宇宙望遠鏡は現在3基稼働しているジャイロスコープ(ジャイロセンサー、角速度センサー)のうち1基に生じた不具合の影響で、2023年11月23日からセーフモードに入っていました。NASAによると、問題が生じたジャイロスコープの分析を進めた結果、運用チームは3基のジャイロ全てを使って科学観測を再開できると12月7日までに判断していました。
ジャイロスコープは姿勢制御に関する機器の一つで、望遠鏡が向いている方向を検出するために搭載されています。普段のハッブル宇宙望遠鏡は効率を最大限高めるために3基のジャイロを同時に使用していますが、姿勢を検出する他のセンサー(磁力計、太陽センサー、スタートラッカー)と連携することで、1基のジャイロだけでも科学観測を行うことが可能とされています。
現在ハッブル宇宙望遠鏡で使用されているジャイロスコープは、2009年5月に実施されたスペースシャトルによる5回目のサービスミッション(STS-125)で交換されたものです。この時に取り付けられたジャイロは全部で6基ありましたが、前述の通り今は3基が稼働しています。スペースシャトルは2011年7月に退役したため、ハッブル宇宙望遠鏡のサービスミッションはこの5回目が最後となりました。
関連記事
・ハッブル宇宙望遠鏡が科学観測を中断 ジャイロスコープの1基に不具合(2023年12月1日)
・NASAとスペースXが「ハッブル」宇宙望遠鏡の軌道高度上昇ミッション検討へ(2022年10月2日)
Source
NASA - NASA’s Hubble Space Telescope Returns to Science Operations文/sorae編集部
この記事に関連するニュース
-
見事に横向き ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“へび座”の渦巻銀河「UGC 10043」
sorae.jp / 2024年11月20日 20時52分
-
一等星「ベガ」のデブリ円盤は驚くほど滑らか。ウェッブとハッブルが観測
sorae.jp / 2024年11月7日 20時59分
-
どこかに写っている超新星 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した棒渦巻銀河「NGC 1672」
sorae.jp / 2024年11月6日 21時47分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影 2021年と2023年に超新星が見つかった渦巻銀河「NGC 4414」
sorae.jp / 2024年11月2日 18時41分
-
じーっと見つめる目のような相互作用銀河 ハロウィンにあわせNASAやESAが紹介
sorae.jp / 2024年11月1日 16時58分
ランキング
-
1煙草を「のむ」ってわかりますか?古い注意書から気付かされた日本語の変化
よろず~ニュース / 2024年11月24日 12時10分
-
2小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
3ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月24日 9時26分
-
4品川イオンスタイル「最強フードコート」の実態 太っ腹にも程がある?自由すぎる食のスポットだ
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 12時0分
-
5「既婚者よりも経済的に余裕がある」だけじゃない…末期がんの医療ジャーナリスト(59歳)だから気づけた「独身がん患者」のメリット・デメリット
文春オンライン / 2024年11月24日 6時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください