相模原市役所で実施されたSLIM月面着陸を応援するPVの様子をお届け
sorae.jp / 2024年1月24日 17時22分
小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」の開発や試験が行われた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパスがある神奈川県相模原市では、同市の主催による『小型月面着陸機「SLIM」の月面着陸を応援するパブリックビューイング』が2024年1月19日夜に開催されました。
【▲ 相模原市役所で開催されたパブリックビューイングの様子(Credit: sorae編集部)】開催場所となった相模原市市役所の1階ロビーには、金曜日の夜遅い時間にもかかわらず、市内外から80名を超える宇宙ファンが駆けつけました。中には小学生を含む家族連れの姿もあり、会場が幅広い世代の宇宙ファンで埋め尽くされていたのが印象的でした。
当日はJAXAによるSLIM月着陸運用のライブ中継観覧に先立ち、相模原市中央区長の萱野克彦さんの挨拶や、SLIMプロダクトマネージャーを務めるJAXAの坂井真一郎さんのメッセージが紹介されました。
パブリックビューイングの開始から1時間余りが過ぎて日付も変わった1月20日0時過ぎ、ライブ中継の映像はSLIMの機体状況が視覚的かつリアルタイムに伝わるテレメトリ映像に切り替わり、いよいよ月面着陸へのカウントダウンが始まりました。会場の緊張感も一気にピークに達し、参加者や関係者は固唾をのんでSLIMの様子を見守っていました。
そして着陸予定時間の0時20分過ぎ、SLIMが月面着陸した可能性が司会者によって伝えられると張り詰めた緊張感から一転し、会場では大きな拍手と歓声が沸き起こりました。soraeでは月面着陸に成功したSLIMの最新情報をお伝えしています。そちらも合わせてご覧ください。
関連:【速報・追記】JAXA月探査機「SLIM」日本初の月着陸に成功 ただし太陽電池が発電できない状態
なお、SLIMの月面着陸成功後に公開された相模原市長 本村 賢太郎さんのコメント、パブリックビューイングで紹介されたSLIMプロダクトマネージャー坂井真一郎さんのメッセージ、相模原市中央区長の萱野克彦さんの挨拶の全文を以下に掲載いたします。
■相模原市長 本村 賢太郎さんのコメントこのたび、小型月着陸実証機「SLIM」が月面着陸に果敢に挑戦され無事成功されました。
大変うれしく思うとともに、世界からも注目される「SLIM」が相模原市で開発、運用されていることを誇りに感じております。
世界で5番目、日本では初となる月面着陸に成功され、その上、今後の惑星探査に必要な世界初となるピンポイント着陸に挑戦されたことに対し、JAXA関係者の皆様の並々ならぬご努力に敬意を表すとともに、引き続き行われる調査によって月の起源につながる重要な成果の収集に成功されますよう、市民の皆様とともに応援してまいります。
(SLIM月面着陸成功後、1月20日公開の相模原市発表資料より引用)
■SLIMプロダクトマネージャー 坂井 真一郎さんのメッセージ
小型月着陸実証機SLIMの月面着陸におけるパブリックビューイングにお集まりの皆様、本日は深夜にもかかわらず、市庁舎にお運びくださり、本当にありがとうございます。
またと無いこの瞬間を、ご観覧の皆様と共有できることを大変嬉しく思います。
また、SLIMにとどまらず、いつもJAXAプロジェクトを応援してくださる皆様に、心から感謝申し上げます。
今回のSLIM月面着陸に際しても、相模原市さんの呼びかけで、市内外から合計1,140件もの応援メッセージをいただきました。メッセージは現在、相模原キャンパス内の研究棟ロビーで展示されております。そのメッセージの数々は、我々を元気にしてくれる何よりの栄養剤です。「相模原にJAXAあり!!」と我々をいつも励ましてくださる相模原市役所の皆様との強い絆を感じています。
この原稿が読み上げられているまさにこの時、我々プロジェクトメンバーは、SLIMが月面上の決められた場所にきちんと着陸するという大仕事に向かう姿を、管制室で固唾を呑んで見守っている最中です。皆様もきっと同じ気持ちで待ってくださっていると思います。
小さなSLIMが大きな大きな仕事をする、その歴史的瞬間にどうぞ我々と一緒に立ち会ってください。
そして、SLIMで実証される技術が今後の惑星探査に継承されていく未来を、楽しみにお待ちください。
■相模原市中央区長 萱野 克彦さんの挨拶
「深夜にもかかわらず、大勢の皆さんにご参加いただきありがとうございます。
夜11時の市役所、いかがですか。滅多にない機会だと思うので、この雰囲気も満喫いただければと思います。
さて、いよいよ月面着陸、しかもピンポイントで、という快挙まで1時間ちょっとですね。
皆さんの方が、SLIMについても、JAXAについても、宇宙全般とも相当お詳しいとは思いますが、中央区はJAXAや博物館があり、宇宙に一番近いまちだと自負しています。
9月7日の打ち上げは、博物館でPVだったんですよね。天候不良で何回か延期されての打ち上げでした。博物館は、今工事で閉館しています。とんでもない数の星が見えるプラネタリウムを設置しますので、それもお楽しみに。
今夜は淵野辺駅でもPVやってるんですね。二元中継はないですが、心を一つに応援しましょう。
中央区から、相模原市から宇宙飛行士や宇宙関係の研究、事業に関わる方がたくさん出てくると嬉しいと思います。
まさに宇宙は、夢とロマンの世界です。
今夜のSLIMの快挙が世界中にとどろき、人類の大きな成果となるよう、72万市民、27万4千人の区民、そしてこの会場にいる皆さんと、一緒に応援したいと思います。
では、大成功に向けて、気合入れていきましょう。よろしくお願いします。」
※コメントの一部を修正させていただきました【2024年1月26日17時】
文/sorae編集部 協力/相模原市シティプロモーション
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