中国科学院の宇宙観測衛星「アインシュタインプローブ」打ち上げ成功 欧州宇宙機関も開発に協力
sorae.jp / 2024年1月29日 7時27分
中国航天科技集団有限公司(CASC)は日本時間2024年1月9日、中国科学院(CAS)が開発した宇宙科学衛星「Einstein Probe(アインシュタインプローブ)」を搭載した「長征2C」ロケットの打ち上げに成功しました。アインシュタインプローブは中性子星やブラックホールといった天体からのX線バースト観測を目的としています。
【▲ 西昌衛星発射センターからアインシュタインプローブを搭載して打ち上げられた長征2Cロケット(Credit: 中国科学院)】アインシュタインプローブを搭載した長征2Cは日本時間2024年1月9日16時3分(北京時間同日15時3分)、中国の西昌衛星発射センターから打ち上げられました。衛星は高度600km・軌道傾斜角29度の地球低軌道に投入されました。この打ち上げは2024年初のCASCによる衛星打ち上げミッションです。
CASが開発したアインシュタインプローブは、幅約3メートル・高さ約3.4メートルの大きさで、観測機器として広視野X線望遠鏡「WXT(Wide-field X-ray Telescope)」およびフォローアップX線望遠鏡「FXT(Follow-up X-ray Telexcope)」という2種類の望遠鏡が搭載されています。WXTはロブスター(えび)の目を参考にして開発され、一度に全天の10分の1を観測できる視野を持っています。WXTの観測で発見された新たなX線源は、視野が狭い代わりに高感度でより詳細な情報を得られるFXTによる観測が行われます。
2つの望遠鏡を搭載したアインシュタインプローブは、中性子星やブラックホールへ落下する物質から放射されるX線をはじめ、ガンマ線バースト、超新星、恒星のフレアだけでなく、彗星からの放射といった太陽系内の天体や現象から光を検出します。
【▲ アインシュタインプローブのイメージ図(Credit: 中国科学院)】アインシュタインプローブの開発には欧州宇宙機関(ESA)とドイツのマックス・プランク地球外物理学研究所(MPE)も共同で加わりました。衛星プロジェクト全体と地上支援システムの開発などはCAS国家空間科学センターが実施し、衛星システムの開発はCAS微小衛星革新研究院が担当しました。開発に参加したESAはX線検出器とWXTの光学試験などを支援し、そのリターンとして観測データの10パーセントを得ることができるとされています。
ESAによると、アインシュタインプローブは機器の試験など行う約6か月間の準備フェーズを経た後、約3年間の観測フェーズへ移行する見通しだということです。
Source
CASC - 长二丙火箭成功发射爱因斯坦探针卫星 ESA - Einstein Probe lifts off on a mission to monitor the X-ray sky ESA - Einstein Probe factsheet ESA - Assembling Einstein Probe 中国科学院 - 我国成功发射爱因斯坦探针空间科学卫星 SpaceNews - China launches “lobster eye” Einstein Probe to unveil mysteries of X-ray universe文・編集/sorae編集部
この記事に関連するニュース
-
超新星の後に残された白色矮星 爆発から800年以上経って再び活発化した可能性
sorae.jp / 2024年7月17日 18時32分
-
中仏天文衛星、ガンマ線バーストを多数検出
Record China / 2024年7月10日 13時20分
-
総研大、機械学習を用いた「ガンマ線バースト」の距離測定方法を開発
マイナビニュース / 2024年7月9日 18時14分
-
中国のロケット部品が村落に直撃...SNSで緊迫の瞬間が拡散
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月28日 12時10分
-
周期は約1時間 観測史上最も自転が遅い中性子星「ASKAP 1935+2148」を発見
sorae.jp / 2024年6月21日 20時51分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
21日5分で二重アゴ&首のシワを解消!魔法の顔筋トレ「あごステップ」HOW TO
ハルメク365 / 2024年7月17日 22時50分
-
3去勢された「宦官」は長寿集団だった…女性の寿命が男性よりもずっと長い理由を科学的に解説する
プレジデントオンライン / 2024年7月18日 8時15分
-
4イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
5なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください