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中国、月探査機「嫦娥6号」の月周回軌道投入に成功

sorae.jp / 2024年5月11日 16時10分

中国国家航天局(CNSA)は2024年5月8日付で、CNSAの月探査機「嫦娥6号(Chang’e 6)」を月周回軌道へ投入することに成功したと発表しました。【最終更新:2024年5月10日12時台】

【▲ 月周回軌道に投入された中国の月探査機「嫦娥6号」のイメージ(Credit: CNSA)】【▲ 月周回軌道に投入された中国の月探査機「嫦娥6号」のイメージ(Credit: CNSA)】

嫦娥6号はCNSAによる月探査ミッションの無人探査機で、地球からは直接見ることができない月の裏側に着陸し、約2kgのサンプルを採取して地球へ持ち帰るサンプルリターンを目的としています。着陸目標地点は南極エイトケン盆地にあるアポロ・クレーター(Apollo、アポロ盆地とも。直径約524km)の南部で、ミッション期間は約53日間とされています。ミッションが成功すれば、月の裏側からのサンプルリターンは世界初となります。

【▲ 月探査機「嫦娥6号」を搭載して打ち上げられた「長征5号」ロケット(Credit: 中国航天科技集団有限公司(CASC))】【▲ 月探査機「嫦娥6号」を搭載して打ち上げられた「長征5号」ロケット(Credit: 中国航天科技集団有限公司(CASC))】

CNSAによると、日本時間2024年5月3日18時27分に海南省の文昌衛星発射センターから「長征5号」ロケットで打ち上げられた嫦娥6号は、日本時間2024年5月8日11時12分に月周回軌道へ投入されました。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、目標地点の日照条件の都合上、着陸は2024年6月上旬まで実施されないとみられています。

2020年11月~12月にミッションが実施された同国の月探査機「嫦娥5号」と同様に、嫦娥6号の機体は周回機・着陸機・上昇機・帰還機で構成されています。月周回軌道到着後は上昇機を乗せた着陸機が周回機から分離して月面へ着陸し、スコップやドリルを使って月の表面と地下からサンプルを採取。サンプルを収めた上昇機は月面を離れて月周回軌道に乗り、待機していた周回機とドッキングします。サンプルは上昇機から帰還機に移し替えられた後に地球へ持ち帰られます。月の裏側に着陸する嫦娥6号と地球の通信は、2024年4月に中国が打ち上げた通信衛星「鵲橋2号(Queqiao 2)」が中継を担当します。

【▲ 打ち上げ準備中の月探査機「嫦娥6号」。着陸機の側面に取り付けられた小型探査車らしき装置が写っている(Credit: CASC/CAST)】【▲ 打ち上げ準備中の月探査機「嫦娥6号」。着陸機の側面に取り付けられた小型探査車らしき装置が写っている(Credit: CASC/CAST)】

なお、嫦娥6号にはカメラの他にスウェーデンと欧州宇宙機関(ESA)の月面負イオン検出器「NILS」、フランスのラドン検出器「DORN」、イタリアのレーザーリトロリフレクター(再帰反射器)「INRRI」、月周回軌道に放出されるパキスタン宇宙技術研究所(IST)の超小型衛星「ICUBE-Q」が搭載されています。また、海外メディアのSpaceNewsによると、公開されている嫦娥6号の画像をもとに未公表の小型探査車(ローバー)が搭載されている可能性も指摘されています。

 

Source

CNSA – 嫦娥六号探测器成功实施近月制动顺利进入环月轨道飞行 NASA Space Science Data Coordinated Archive – Chang’e 6 SpaceNews – China’s Chang’e-6 is carrying a surprise rover to the moon

文・編集/sorae編集部

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