ねじれて広がるダストレーン ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したレンズ状銀河「NGC 4753」
sorae.jp / 2024年5月15日 20時43分
こちらは「おとめ座(乙女座)」の方向約6000万光年先のレンズ状銀河「NGC 4753」の中心付近です。淡い輝きに埋め込まれた暗褐色の網のような構造は、塵が豊富なダストレーンです。NGC 4753のダストレーンは明るい中心部を取り囲みつつ、複雑にねじれながら外側へと広がっているように見えます。
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)で撮影されたレンズ状銀河「NGC 4753」の中心付近(Credit: ESA/Hubble & NASA, L. Kelsey)】レンズ状銀河は渦巻銀河と楕円銀河の中間にあたる形態の銀河で、中央部分の膨らみや円盤構造はあるものの、渦巻銀河の特徴である渦巻腕(渦状腕)は持たないとされています。そんなレンズ状銀河のなかでも、ねじれたダストレーンを持つNGC 4753は少し特異な存在です。このようなダストレーンが形成されたのは、現在観測されている姿から約13億年前に発生した矮小銀河との合体が原因ではないかと考えられています。
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・過去の銀河合体を物語るダストレーン “おとめ座”のレンズ状銀河「NGC 4753」(2024年2月5日)
この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータをもとに作成されています。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 4753の観測は、白色矮星を含む連星で起こるとされる「Ia型超新星」(※)が発生する環境を調査する研究の一環として実施されました。
NGC 4753では1965年6月に超新星「SN 1965I」が、1983年4月に超新星「SN 1983G」がそれぞれ見つかっていますが、2つの超新星はどちらもIa型だったとみられています。Ia型超新星はピーク時の明るさがほぼ一定(太陽の約50億倍)であることが知られていて、その性質を利用した宇宙の距離測定に用いられている重要な天体です。
冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2024年5月13日付で公開されています。
※…Ia型超新星:連星を成す恒星から白色矮星へとガスが降り積もったり、2つの白色矮星が合体したりすることで、白色矮星の質量が太陽の約1.4倍(チャンドラセカール限界)に達した時に発生すると考えられている。
Source
ESA/Hubble – Lenticular dust in detail文・編集/sorae編集部
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