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日欧の水星探査ミッション「ベピ・コロンボ」探査機の推進システムで問題発生

sorae.jp / 2024年5月16日 17時5分

欧州宇宙機関(ESA)は2024年5月15日付で、ESAと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の水星探査ミッション「BepiColombo」(ベピ・コロンボ、ベピコロンボ)の探査機で推進システムに問題が発生していることを明らかにしました。【最終更新:2024年5月16日12時台】

【▲ 水星に接近する日欧の水星探査ミッション「BepiColombo(ベピ・コロンボ)」探査機の想像図(Credit: spacecraft: ESA/ATG medialab; Mercury: NASA/JPL)】【▲ 水星に接近する日欧の水星探査ミッション「BepiColombo(ベピ・コロンボ)」探査機の想像図(Credit: spacecraft: ESA/ATG medialab; Mercury: NASA/JPL)】

BepiColomboは日本の水星磁気圏探査機「Mercury Magnetospheric Orbiter(MMO、みお)」と欧州の水星表面探査機「Mercury Planetary Orbiter(MPO)」の2機による水星探査ミッションです。ここに両探査機の水星周回軌道投入前までの飛行を担当する欧州の電気推進モジュール「Mercury Transfer Module(MTM)」が加わり、現在の3機は縦に積み重なった状態で飛行を続けています。

BepiColomboでは探査機を2025年12月に水星周回軌道へ投入するために、地球・金星・水星で合計9回のスイングバイ(太陽を公転する天体の重力を利用して軌道を変更する手法)実施が計画されています。2023年6月には全体で6回目となる第3回水星スイングバイに成功しており、現在のBepiColombo探査機は2024年9月に予定されている第4回水星スイングバイに向けて飛行を続けています。

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・日欧の水星探査ミッション「ベピ・コロンボ」探査機が第3回水星スイングバイを実施(2023年6月21日)

【▲ BepiColombo探査機の分解図。上から:日本の水星磁気圏探査機「MMO(みお)」、水星周回軌道に投入されるまでのあいだMMOを保護する筒状のサンシールド、欧州の水星表面探査機「MPO」、欧州の電気推進モジュール「MTM」(Credit: ESA/ATG medialab)】【▲ BepiColombo探査機の分解図。上から:日本の水星磁気圏探査機「MMO(みお)」、水星周回軌道に投入されるまでのあいだMMOを保護する筒状のサンシールド、欧州の水星表面探査機「MPO」、欧州の電気推進モジュール「MTM」(Credit: ESA/ATG medialab)】

ESAによると、BepiColombo探査機の次の軌道制御は2024年4月26日に開始される予定だったものの、MTMが電気推進システムに十分な電力を供給できなくなっていることが判明。ESAと産業パートナーの合同チームが取り組んだ結果、5月7日までに以前の約90パーセントまで推力を回復させることはできたものの、依然として最大推力には届かない状況が続いています。なお、MMO(みお)とMPOは引き続き良好な状態を保っている模様です。

現時点では、回復した推力を安定して維持させるとともに、今後の飛行に及ぶ影響を推定することがチームの優先事項となっています。ESAによると、MTMが今の推力を維持できれば第4回水星スイングバイに間に合うように水星へ接近できるといい、水星周回軌道投入も従来通り2025年12月に予定されています。今後は問題の根本的な原因の特定と、電気推進システムが利用できる電力を最大化させる作業が並行して進められるということです。

 

Source

ESA – Glitch on BepiColombo: work ongoing to restore spacecraft to full thrust

文・編集/sorae編集部

 

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