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ESAユークリッド宇宙望遠鏡が撮影した“くじゃく座”の渦巻銀河「NGC 6744」

sorae.jp / 2024年5月28日 20時48分

こちらは「くじゃく座(孔雀座)」の方向約3000万光年先の渦巻銀河「NGC 6744」です。NGC 6744は渦巻腕(渦状腕)に囲まれた中心部分に棒状構造がある「棒渦巻銀河」と、棒状構造がない「渦巻銀河」の中間的な性質を持つ銀河(Intermediate Spiral Galaxy、中間渦巻銀河とも)に分類されています。

【▲ 欧州宇宙機関(ESA)の「Euclid(ユークリッド)」宇宙望遠鏡で撮影された渦巻銀河「NGC 6744」(Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by J.-C. Cuillandre (CEA Paris-Saclay), G. Anselmi)】【▲ 欧州宇宙機関(ESA)の「Euclid(ユークリッド)」宇宙望遠鏡で撮影された渦巻銀河「NGC 6744」(Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by J.-C. Cuillandre (CEA Paris-Saclay), G. Anselmi)】

この画像は欧州宇宙機関(ESA)の「Euclid(ユークリッド)宇宙望遠鏡」に搭載されている「可視光観測装置(VIS)」と「近赤外線分光光度計(NISP)」で取得したデータをもとに作成されました。Euclid宇宙望遠鏡は可視光線だけでなく人の目では捉えられない赤外線の波長でも観測を行うため、画像の色はデータ取得時の波長に応じて着色されています(700nm付近を青、1.1μm付近を緑、1.7μm付近を赤で着色)。

ESAによると、Euclid宇宙望遠鏡はきつく巻き付いた渦巻腕から現れた「spur(スパー)」と呼ばれる羽毛のような塵(ダスト)のレーンをはじめ、NGC 6744の細部を鮮明に捉えました。Euclidの観測によってNGC 6744の個々の星を数えられるようになるだけでなく、星や塵の分布を広い範囲で追跡したり、新たな星の材料となるガスと塵のマッピングを行ったりできるようになるといいます。また、NGC 6744は過去に集中的な研究の対象となったことがあるにもかかわらず、Euclidの観測データからは今まで知られていなかったNGC 6744の衛星銀河が新たに見つかったということです。

2023年7月に打ち上げられたEuclid宇宙望遠鏡は、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)や暗黒物質(ダークマター)の謎に迫ることを目的に開発されました。数十億個の銀河の画像化を目指すEuclidの観測データをもとに、暗黒物質が形成したと考えられている宇宙の大規模構造に沿って分布する銀河の立体地図を作成することで、宇宙の膨張を加速させていると考えられている暗黒エネルギーについての理解も深まると期待されています。

冒頭の画像はESAから2024年5月23日付で公開されました。

 

Source

ESA – Euclid’s new image of spiral galaxy NGC 6744

文・編集/sorae編集部

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