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ウェッブ宇宙望遠鏡で観測した“りょうけん座”のスターバースト銀河「NGC 4449」

sorae.jp / 2024年6月23日 12時16分

こちらは「りょうけん座(猟犬座)」の方向約1250万光年先の不規則銀河「NGC 4449」です。NGC 4449はスターバースト(爆発的な星形成活動)が観測されているスターバースト銀河のひとつとして知られています。

【▲ 「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された不規則銀河「NGC 4449」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team)】【▲ 「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の近赤外線カメラ(NIRCam)と中間赤外線観測装置(MIRI)で観測された不規則銀河「NGC 4449」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, A. Adamo (Stockholm University) and the FEAST JWST team)】

欧州宇宙機関(ESA)によると、NGC 4449では数十億年にわたって星が形成されてきましたが、現在観測されているスターバーストの星形成率をもとに計算すると、星の材料となるガスの供給はあと10億年程度しか続かないと推定されています。また、一般的にスターバーストは銀河の中心部分で観測されることが多いものの、NGC 4449ではより広い範囲で星形成活動が観測されているといいます。

この画像は「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」の「近赤外線カメラ(NIRCam)」と「中間赤外線観測装置(MIRI)」で取得したデータをもとに作成されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は人の目で捉えることができない赤外線の波長で主に観測を行うため、公開されている画像の色は取得時に使用されたフィルターに応じて着色されています。

ESAによると、明るい青色の点は個々の星を示しています。NGC 4449の全体に分布する黄色は活発に星が生み出されている領域に、明るい赤色の斑点は若い星の放射によって電離した水素ガスが豊富な領域に対応しています。

現在観測されているNGC 4449のスターバーストは、より小さな衛星銀河(伴銀河)との相互作用もしくは合体によって引き起こされた可能性が高いと考えられています。合体を繰り返して成長し続けた原始的な星形成銀河に似ているとみられるNGC 4449は詳細な観測を行えるほど近くに存在する銀河であることから、初期の宇宙で銀河が形成・進化する間に何が起きたのかを研究する上で理想的な対象だということです。

冒頭の画像は“ウェッブ宇宙望遠鏡の今月の画像”としてESAから2024年5月29日付で公開されています。

【▲ 参考画像:「ハッブル宇宙望遠鏡」の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で観測された不規則銀河「NGC 4449」(Credit: NASA, ESA, A. Aloisi (STScI/ESA), and The Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration)】【▲ 参考画像:「ハッブル宇宙望遠鏡」の掃天観測用高性能カメラ(ACS)で観測された不規則銀河「NGC 4449」(Credit: NASA, ESA, A. Aloisi (STScI/ESA), and The Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration)】

Source

ESA/Webb – Fireworks of stellar starbursts

文・編集/sorae編集部

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