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超新星輝く“しし座”の渦巻銀河「NGC 3810」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

sorae.jp / 2024年7月10日 21時41分

こちらは「しし座(獅子座)」の方向約5000万光年先の渦巻銀河「NGC 3810」です。幅の広い渦巻腕(渦状腕)が明るい中心部分を取り囲みながら外側へと広がっていく様子が捉えられています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)】【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)】

NGC 3810では2022年11月に超新星「SN 2022zut」が発見されました。実はこの画像にもその超新星が写っているのですが、どこにあるのかわかりますか?(記事の最後に位置を示した注釈付き画像を掲載しています)

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「広視野カメラ3(WFC3)」と「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されました。欧州宇宙機関(ESA)によると、SN 2022zutは白色矮星を含む連星が関わるとされる「Ia型超新星」でした。伴星からガスが流れ込むなどして白色矮星の質量が太陽の約1.4倍という一定の値に達した時に起こるとされるIa型超新星は真の明るさがほぼ一定だと考えられており、観測された見かけの明るさと比較して地球からの距離を割り出せることから、宇宙の距離を測定するのに役立つ標準光源のひとつとして利用されています。

ただ、Ia型超新星と地球の間に銀河間塵(ダスト)が存在する場合、超新星の光の一部が塵にさまたげられてしまいます。紫外線・可視光線・赤外線を利用するハッブル宇宙望遠鏡を使えば、塵にほぼ完全にさまたげられる紫外線と、反対にさまたげられにくい赤外線で同じ超新星を撮像し、通過してきた光を波長ごとに注意深く調べることで、塵の影響を考慮した上でIa型超新星の明るさと距離の関係を較正できるということです。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2024年7月8日付で公開されています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」、超新星「SN 2022zut」の位置を示した注釈付きバージョン(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)】【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の広視野カメラ3(WFC3)と掃天観測用高性能カメラ(ACS)で撮影された渦巻銀河「NGC 3810」、超新星「SN 2022zut」の位置を示した注釈付きバージョン(Credit: ESA/Hubble & NASA, D. Sand, R. J. Foley)】

 

Source

ESA/Hubble – The difference between distance and dust

文・編集/sorae編集部

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