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スペースX、新型ロケット「スターシップ」第5回飛行試験実施 スーパーヘビーが初めて発射台に帰還

sorae.jp / 2024年10月15日 16時53分

アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年10月13日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第5回飛行試験を実施しました。

2段目の大型宇宙船「Starship」は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、発射から1時間ほど後にインド洋の目標エリアに着水することに成功したと発表されています。また、1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」は発射台へ帰還することに初めて成功しており、SpaceXはその時の様子を捉えた動画を公開しています。

発射台から見たスーパーヘビーキャッチの瞬間

こちらはSpaceXが公式Xアカウントを通じて公開した動画です(※音量に気を付けて下さい)。高度約70kmでStarship宇宙船を分離した後に発射台へ戻ってきたSuper Heavyブースターが、Mechazilla(メカジラ)やchopstick arms(チョップスティック・アーム)とも呼ばれる発射台のロボットアームに空中でキャッチされる様子が捉えられています。

https://sorae.info/wp-content/uploads/2024/10/2024-10-15-1-Starship-IFT5-Super-Heavy-catch-SpaceX.mp4

 

大型宇宙船「Starship」の分離後に発射台へ戻ってきた大型ロケット「Super Heavy」【▲ 大型宇宙船「Starship」の分離後に発射台へ戻ってきた大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」【▲ 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」【▲ 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 スーパーヘビーから見た空中キャッチの瞬間も

次の動画もSpaceXがXで公開したもので、Super Heavyブースター側のカメラで捉えたキャッチの瞬間です。開かれたアームの間へ機体が精密に誘導されていき、しっかりとキャッチされる様子が捉えられています。

https://sorae.info/wp-content/uploads/2024/10/2024-10-15-2-Starship-IFT5-Super-Heavy-catch-SpaceX.mp4 発射台に向かって降下していく大型ロケット「Super Heavy」【▲ 発射台に向かって降下していく大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」【▲ 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」【▲ 発射台のロボットアームにキャッチされる大型ロケット「Super Heavy」。SpaceXが公開した動画から(Credit: SpaceX)】 スターシップとは?

Starshipは1段目のSuper Heavyブースターと2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再使用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。SpaceXによれば、両段を再利用する構成では100~150トンのペイロード(搭載物)を打ち上げることが可能であり、2段目のStarship宇宙船は単体でも地球上の2地点間を1時間以内に結ぶ準軌道飛行(サブオービタル飛行)が可能だとされています。

第5回飛行試験で上昇するSpaceXの新型ロケット「Starship(スターシップ)」【▲ 第5回飛行試験で上昇するSpaceXの新型ロケット「Starship」(Credit: SpaceX)】 スーパーヘビーの空中キャッチに初挑戦で成功

過去の打ち上げではSuper Heavyブースターはメキシコ湾に着水していましたが、Starship打ち上げシステム全体としては5回目となった今回の飛行試験では、発射台への帰還が初めて実施されました。

現在SpaceXが運用しているロケット「Falcon 9(ファルコン9)」の1段目には着陸脚が備わっていて、地上や船上に着陸して再使用することができますが、Starshipでは機体の重量軽減や迅速な再使用のために、戻ってきたSuper Heavyブースターを発射台のタワーに備え付けられたロボットアームを使って箸で挟むようにキャッチする方法が採用されました。これほど巨大な機体をタワーに衝突させることなく精密に誘導してキャッチさせる方法を、SpaceXは初めての挑戦で見事に成功させたことになります。

発射台に戻ってきた大型ロケット「Super Heavy」の空中キャッチ最終段階。3枚の画像を合成したもの【▲ 発射台に戻ってきた大型ロケット「Super Heavy」の空中キャッチ最終段階。3枚の画像を合成したもの(Credit: SpaceX)】 スターシップ宇宙船は目標エリアに着水成功

一方、Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、発射1時間5分40秒後にインド洋上の目標エリアに着水することに成功したと発表されています。2024年6月に実施された第4回飛行試験では、Starship宇宙船は一部のフラップが高熱で損傷しつつも海上への軟着水に成功しました。SpaceXのライブ配信では今回も一部のフラップのヒンジ部分周辺が損傷する様子が写し出されましたが、目標エリアへの軟着水に向けた誘導や着陸噴射に成功したことになります。

インド洋に着水するStarship宇宙船【▲ インド洋に着水するStarship宇宙船。SpaceXのライブ配信より(Credit: SpaceX)】 2025年にはStarship宇宙船の着陸が行われるかも?

今回の飛行試験後、SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOはXにて「2025年にフルスタック(※Starship宇宙船とSuper Heavyブースターの両方)の再使用性が達成される可能性は十分にある」と述べています。次回以降の飛行試験がいつ行われるのかはまだ明らかではありませんが、宇宙空間を飛行したStarship宇宙船が陸上へ着陸する日も近そうです。

Good chance that Starship achieves full stack reusability in 2025, which is the critical breakthrough needed to make life multiplanetary

— Elon Musk (@elonmusk) October 14, 2024

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【速報】ついに発射台でブースターを空中キャッチ スペースXが「スターシップ」の第5回飛行試験を実施(2024年10月13日) スペースXが大型ロケット「スーパーヘビー」着水の瞬間を捉えた動画を公開(2024年6月11日)

 

Source

SpaceX - Starship's Fifth Flight Test SpaceX (X)

文・編集/sorae編集部

#スペースX #スターシップ #スーパーヘビー

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