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ハワイの望遠鏡で撮影された“ペルセウス座”の楕円銀河「NGC 1270」

sorae.jp / 2024年10月27日 20時33分

こちらは1000個以上の銀河が集まる「ペルセウス座銀河団(Perseus Cluster)」の一角です。画像の幅は満月の視直径の5~6分の1(視野は5.70×4.35分角)に過ぎませんが、中央に見えている約2億4000万光年先の楕円銀河「NGC 1270」をはじめとしたペルセウス座銀河団に属する銀河や、さらに遠方にある数え切れないほどの銀河が写っています。

ジェミニ北望遠鏡で撮影された「ペルセウス座銀河団」の楕円銀河「NGC 1270」(中央)【▲ ジェミニ北望遠鏡で撮影された「ペルセウス座銀河団」の楕円銀河「NGC 1270」(中央)(Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: J. Miller & M. Rodriguez (International Gemini Observatory/NSF NOIRLab), T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani (NSF NOIRLab); Acknowledgements: PI: Jisu Kang (Seoul National University))】 銀河団は暗黒物質の研究と関わりが深い天体

この画像はハワイのマウナケア山で運用されているジェミニ天文台の「ジェミニ北望遠鏡」で取得したデータをもとに作成されました。地上や宇宙の望遠鏡で取得されたデータは個々の銀河や銀河団だけでなく、電磁波では直接観測できない暗黒物質(ダークマター)の研究でも役立てられています。

特に、この宇宙で銀河が均等ではなく偏って分布していることの証とも言える銀河団は、移動する銀河を重力でつなぎとめている「観測不可能な物質」が大量に存在するはずだという仮説につながった天体でもあり、暗黒物質の研究と深い関わりがあります。また、銀河団の膨大な質量は一般相対性理論で予言された重力レンズ効果をもたらすことがあり、暗黒物質の分布を間接的に調査する上で活用されています。

私たちが住む天の川銀河の外にも銀河が存在することを示す証拠を天文学者Edwin Hubble(エドウィン・ハッブル)が発見してから100年。「島宇宙」とも呼ばれる無数の銀河の存在が認識されてからまだそれしか経っていないと思うと、これから先の100年で宇宙のどんな秘密が明らかになるのか、楽しみになってきませんか?

冒頭の画像はアメリカ国立科学財団(NSF)国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2024年10月21日付で公開されています。

 

関連記事 ESAのユークリッド宇宙望遠鏡が撮影した「ペルセウス座銀河団」(2023年11月10日) 重力で引かれ合う銀河たち ダークエネルギーカメラが撮影した「かみのけ座銀河団」(2024年8月17日)

 

Source

NOIRLab - Gemini North Captures Galactic Archipelago Entangled In a Web Of Dark Matter

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
#楕円銀河 #銀河団 #ペルセウス座

Last Updated on 2024/10/27

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