1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 環境・自然・科学

NASA火星探査車Perseveranceが撮影したパノラマ 3年半の探査活動がこの1枚に

sorae.jp / 2024年11月4日 21時56分

こちらはアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance(パーシビアランス)」に搭載されているカメラ「Mastcam-Z」で撮影されたパノラマです。2024年9月27日に撮影された44枚の画像をつなぎ合わせて作成されたもので、NASAのジェット推進研究所(JPL)から2024年10月28日付で公開されています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のカメラ「Mastcam-Z」で撮影されたジェゼロ・クレーターのパノラマ(色は強調されている)。クレーター西縁を登る途中の2024年9月27日に撮影された44枚の画像をつなぎ合わせたもの【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のカメラ「Mastcam-Z」で撮影されたジェゼロ・クレーターのパノラマ(色は強調されている)。クレーター西縁を登る途中の2024年9月27日に撮影された44枚の画像をつなぎ合わせたもの(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS)】 クレーターの縁を登りながら“思い出の地”を振り返って撮影

NASAの火星探査ミッション「Mars 2020(マーズ2020)」の探査車として日本時間2021年2月19日朝に火星のジェゼロ・クレーター(Jezero、直径約47km)へ着陸したPerseveranceは、2024年12月初旬にクレーターの西縁を越えることを目指して急勾配の斜面を登っています。今回公開されたパノラマはその途中で撮影されました。

JPLによると、Perseveranceの着陸地点やミッションで初めて堆積岩が発見された場所、サンプルを収めた保管容器を配置した場所、ともに火星へ着陸した火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」がミッションを終えた最後の着陸地点など、3年半にわたる探査活動中の出来事やランドマークがこの1枚のパノラマに収められているといいます。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のカメラ「Mastcam-Z」で撮影されたジェゼロ・クレーターの注釈付きパノラマの一部を拡大したもの(色は強調されている)。中央右の着陸地点(Landing site、8.7km先)をはじめ、探査活動に関連した場所の名前が示されている【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のカメラ「Mastcam-Z」で撮影されたジェゼロ・クレーターの注釈付きパノラマの一部を拡大したもの(色は強調されている)。中央右の着陸地点(Landing site、8.7km先)をはじめ、探査活動に関連した場所の名前が示されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

【▲ 火星探査車「Perseverance」の2021年2月から2024年10月までの移動経路を示した動画】
(Credit: NASA/JPL-Caltech)

「火星の生命」の証拠かもしれない岩石を「パーサヴィアランス」が発見(2024年8月4日) NASAが火星ヘリコプター「Ingenuity」のミッション終了を発表 約3年間で火星の空を72回飛行(2024年1月26日) あの帽子っぽい形をした火星の岩 NASA火星探査車Perseveranceが撮影(2023年10月15日) 傾斜がきつく滑りやすい斜面の走破に挑む運用チーム

Perseveranceの副プロジェクトマネージャーを務めるJPLのRick Welchさんは「この画像は過去と現在だけでなく、私たちが目指す未来の大きな課題も示している」とコメントしています。パノラマ画像の右側に一部が写っている斜面の角度は約20度。Perseveranceはこれまでにも同じくらいの斜面を登ったことがあるといいますが、ここは塵や砂がゆるく堆積しているために滑りやすく、ある数日間は滑りにくい場所と比べて半分の距離しか進むことができず、別の日には計画されたルートの20%ほどしか進めなかったといいます。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のナビゲーションカメラで2024年10月11日に撮影されたジェゼロ・クレーターの西縁斜面の様子【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のナビゲーションカメラで2024年10月11日に撮影されたジェゼロ・クレーターの西縁斜面の様子(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

滑りの影響を低減させるため、Perseveranceの運用チームは「車体を後進させる(※)」「ジグザグに走行させる」「ルートの北端に接近させる」という3通りの方法をテスト。どの方法も効果はあったものの、ルートの北端に近づく方法が最も効果的だったことがわかったといいます。この違いは地表付近の岩石が生じさせたのではないかと考えられています。

※…Perseveranceのサスペンションは特定の条件下では後退させた時により良いトラクションを維持することが地上試験でわかっているため。

予定通りならあと数週間でクレーターの縁を越えるPerseveranceは、クレーターの内部にいた頃と同様にサンプルを採取し、容器に収めて保管します。NASAは欧州宇宙機関(ESA)と共同で火星サンプルリターンミッションを計画・実施しており、Perseveranceが採取したサンプルは将来のミッションで回収されて地球へ運ばれる予定です。

2024年7月に公開されたアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のセルフィー。ロボットアームのカメラで撮影した62枚の画像を使って作成されている【▲ 2024年7月に公開されたアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance」のセルフィー。ロボットアームのカメラで撮影した62枚の画像を使って作成されている(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

 

Source

NASA/JPL - NASA’s Perseverance Rover Looks Back While Climbing Slippery Slope

文・編集/sorae編集部

#NASA #JPL #火星 #Perseverance

Last Updated on 2024/11/04

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください