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NASA惑星探査機「ボイジャー1号」停止した送信機の再作動に成功 通常運用再開

sorae.jp / 2024年11月27日 21時24分

アメリカ航空宇宙局(NASA)は惑星探査機「ボイジャー1号(Voyager 1)」に搭載されている送信機の1つが停止していた問題について2024年11月26日付で情報を更新し、送信機の再作動と通常運用の再開を発表しました。

停止していたXバンド送信機の再作動に成功

再作動したのは8.4GHz帯の電波を使用するXバンド送信機です。ボイジャー1号では2024年10月にXバンド送信機が停止してしまう問題が発生し、2.3GHz帯の電波を使用するSバンド送信機に切り替わっていました。Sバンド送信機はXバンド送信機と比べて消費電力が少ない代わりに信号が弱く、1981年以降は使われていなかった装置です。

NASAによると、ボイジャーの運用チームは2024年11月初旬にXバンド送信機を再作動させることに成功。11月18日の週(今回の発表があった11月26日の前週)からは、現在も稼働している4つの科学機器による観測データの収集が再開されました。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー(Voyager)」の想像図【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の惑星探査機「ボイジャー(Voyager)」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

ボイジャーには探査機で問題が発生した時に自動的に対応するための障害保護システムが搭載されていて、たとえば電力消費が過剰になった時は障害保護システムが必須ではないシステムをオフにして電力を節約します。ただ、今年で打ち上げから47年目となるボイジャーでは利用できる電力が年々減少しており、重要ではないシステムは科学機器を除いてすでに停止しているのが現状です。運用チームは2024年10月16日にボイジャー1号のヒーターの1つをオンにするためのコマンドを送信していますが、このコマンドがきっかけとなって障害保護システムが作動し、Xバンド送信機から消費電力の少ないSバンド送信機に切り替わったとみられています。

NASAによれば、ボイジャーに搭載されている放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator: RTG、原子力電池の一種)の発電量は毎年約4ワットのペースで失われているといいます。運用チームはボイジャーに搭載されている各システムの電力使用量を予測するコンピューターモデルを使用していますが、コンポーネントの古さや期待通りにふるまうとは限らないハードウェアの動作が不確実性に影響を及ぼすこともあり、ボイジャーのミッションでは頻発化・複雑化する技術的問題が新たな課題になっているということです。

NASA惑星探査機「ボイジャー1号」送信機の1つが停止するトラブル発生(2024年10月31日)

 

Source

NASA - NASA’s Voyager 1 Resumes Regular Operations After Communications Pause

文・編集/sorae編集部

#NASA #ボイジャー1号

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