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JAXA大西卓哉宇宙飛行士は2025年3月打ち上げの宇宙船でISSへ 滞在中はISS船長に就任予定

sorae.jp / 2025年2月12日 17時7分

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2025年2月11日付で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉宇宙飛行士を含む4名の宇宙飛行士が割り当てられている有人宇宙飛行ミッション「Crew-10(クルー10)」について、アメリカの現地時間で2025年3月12日の打ち上げを目標に準備を進めていると発表しました。

Crew-10の宇宙飛行士は?

Crew-10のメンバーはコマンダーを務めるNASAのAnne McClain(アン・マクレーン)宇宙飛行士、パイロットを務めるNASAのNichole Ayers(ニコール・エアーズ)宇宙飛行士、ミッションスペシャリストを務めるJAXAの大西卓哉宇宙飛行士およびRoscosmos(ロスコスモス)のKirill Peskov(キリル・ペスコフ)宇宙飛行士です。

4名はアメリカの民間企業SpaceX(スペースX)のCrew Dragon(クルードラゴン)宇宙船で国際宇宙ステーション(International Space Station: ISS)に向かい、約半年間の長期滞在を行います。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-10」の公式ポートレート。左から:RoscosmosのKirill Peskov宇宙飛行士、NASAのNichole Ayers宇宙飛行士、NASAのAnne McClain宇宙飛行士、JAXAの大西卓哉宇宙飛行士(Credit: NASA/Bill Stafford/Helen Arase Vargas)【▲ アメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-10」の公式ポートレート。左から:RoscosmosのKirill Peskov宇宙飛行士、NASAのNichole Ayers宇宙飛行士、NASAのAnne McClain宇宙飛行士、JAXAの大西卓哉宇宙飛行士(Credit: NASA/Bill Stafford/Helen Arase Vargas)】

大西宇宙飛行士は今回が2回目の宇宙飛行で、前回は第48次/第49次長期滞在クルーの一員として2016年7月~10月にかけてISSに約113日間滞在しました。滞在中はISSの日本実験棟「きぼう」の新しい実験環境の構築や、日本人宇宙飛行士初となるCygnus(シグナス)補給機のキャプチャーなどを行っています。

今回の飛行で大西宇宙飛行士は第72次長期滞在クルーの一員としてフライトエンジニアを務めた後、続く第73次長期滞在ではISS船長(コマンダー)としてミッションの達成及び全搭乗員の安全確保に向けて指揮を執る予定です。日本人宇宙飛行士がISS船長を務めるのは若田光一宇宙飛行士と星出彰彦宇宙飛行士に次いで3人目となります。

McClain宇宙飛行士も今回が2回目の宇宙飛行で、前回は第58次/第59次長期滞在クルーの一員として2018年12月~2019年6月にかけてISSに約204日間滞在しました。Ayers宇宙飛行士とPeskov宇宙飛行士は今回が初の宇宙飛行です。

宇宙船の変更で打ち上げ時期を2025年3月下旬から前倒し

NASAによると、Crew-10ではSpaceXが製造中の新しいCrew Dragon宇宙船を使用する予定でしたが、これまでに3回の飛行で使用された「Endurance(エンデュランス)」に変更することが今回の発表で明らかにされました。

SpaceXにとって5機目の有人宇宙船となる新しいCrew Dragonは製造の遅れが報道されていて、NASAも2024年12月の時点でCrew-10の打ち上げ予定時期を2025年2月から3月下旬に変更すると発表していました。使用する宇宙船が変更されたことで、Crew-10の打ち上げ時期は若干前倒しされたことになります。

ちなみにEnduranceはNASAの「Crew-3」「Crew-5」「Crew-7」の各ミッションで使用されてきましたが、Crew-5には若田宇宙飛行士、Crew-7には古川聡宇宙飛行士がメンバーに割り当てられていたため、大西宇宙飛行士は同船に搭乗する3人目の日本人宇宙飛行士となります。

Crew-7ミッションのCrew Dragon宇宙船を搭載して2023年8月に打ち上げられたSpaceXのFalcon 9ロケット(Credit: NASA/Joel Kowsky)【▲ Crew-7ミッションのCrew Dragon宇宙船を搭載して2023年8月に打ち上げられたSpaceXのFalcon 9ロケット(Credit: NASA/Joel Kowsky)】 Boeingの宇宙船でISSに到着した2名の宇宙飛行士も帰還へ

また、現在ISSではBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」に搭乗していたNASAのBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(サニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士が2024年6月から滞在しています。

姿勢制御システム(RCS)に問題を抱えていたStarliner宇宙船は一足先に無人で地球に帰還させることになったため、NASAは両名を別の有人宇宙飛行ミッション「Crew-9」に割り当てた上で、Crew-9のメンバーとして2024年9月に到着したNASAのNick Hague(ニック・ヘイグ)宇宙飛行士およびRoscosmosのAleksandr Gorbunov(アレクサンダー・ゴルブノフ)宇宙飛行士とともに帰還させる方針を固めていました。Crew-9の4名はCrew-10の到着から数日後にISSを出発し、地球に帰還する予定だということです。

JAXA大西卓哉宇宙飛行士がISS船長に就任決定 2025年2月以降にISSへ(2024年12月2日) NASA有人宇宙飛行ミッション「Crew-9」のクルードラゴン宇宙船がISSに到着(2024年9月30日)

 

Source

NASA - Commercial Crew Program (NASA Blogs)

文・編集/sorae編集部

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