地球への惑星の衝突が、生命の源となる「炭素」をもたらした?:研究報告より
sorae.jp / 2016年9月7日 9時40分
私達の体のほとんどは炭素を中心とする有機化合物からできています。この生命の源ともいえる炭素について、興味深い報告がなされました。なんと、地球の炭素のほとんどは約44億年前の地球と水星のような惑星の衝突によりもたらされたというのです。
実はこれまで、なぜ地球にこのように豊富に炭素が存在しているのかはわかっていませんでした。専門家の中には地球の形成後、隕石や彗星が炭素を運んできたと考える人もいますが、やはりその膨大な量を説明することはできなかったのです。
しかしライス大学の実験による報告によれば、地球のコアの鉄はケイ素や硫黄の含有率が高く、そこに水星のような表面に炭素を豊富に含み、中心にシリコンや硫黄を豊富に含む惑星が衝突したというのです。なお水星のコアはケイ素を、そして火星のコアは硫黄を豊富に含有しているので、地球のコアがそうである可能性は十分にあります。また、この衝突は地球の形成後から1億年後に起きたと想定されています。
このような地球や他の惑星のコア、そして成り立ちを知ることは非常に難しいものです。そこで太陽系に存在する「小惑星」からサンプルを持ち帰り、それを解析することで太陽系や惑星の成り立ちを調べるサンプル・リターン計画が各国で計画されています。
すでに日本は小惑星探査機「はやぶさ」を小惑星「イトカワ」に派遣し、そのサンプルの持ち帰りに成功。さらに現在後継機となる「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」を目指し、飛行を続けています。またNASAも、近日中に小惑星探査機「オシリス・レックス」を小惑星「ベンヌ」に派遣し、サンプルのリターンを計画しています。
このように謎に満ちた地球、そして太陽系の惑星の組成ですが、小惑星探査という一見私達からは縁の遠い探査活動でその正体がわかるとすれば、なんとも興味深いですね!
Image Credit: Inverse
■Planetary Collision Brought Earth Its Life-Giving Carbon
https://www.inverse.com/article/20585-planetary-crash-could-have-brought-earth-life-giving-carbon?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
ウェッブ宇宙望遠鏡が小惑星帯で138個の小惑星を発見 最小は推定直径約10m
sorae.jp / 2025年1月16日 21時7分
-
国立天文台、従来の説を覆す新タイプの大気を持つスーパーアースを確認
マイナビニュース / 2025年1月16日 17時40分
-
系外惑星の大気中の白いもやはダイヤモンド? - 国立天文台が発表
マイナビニュース / 2025年1月16日 11時48分
-
火星の石、日本館で展示 小惑星から持ち帰った砂も
共同通信 / 2025年1月14日 19時42分
-
ロフトワーク・FabCafe・千葉工業大学の3者で、初の産学国際連携による小惑星探査プロジェクト「Project Apophis」始動
PR TIMES / 2025年1月8日 14時45分
ランキング
-
1認知症リスクは3倍、寿命は10年縮まる…「悪口を言う人」に最低最悪の人生が待っている科学的理由
プレジデントオンライン / 2025年1月22日 16時15分
-
2サイゼリヤには“ない”けど、ガストには“ある”ものとは。吉野家、ココイチをも凌駕…ガストが“使える店”に進化を遂げていた
日刊SPA! / 2025年1月21日 15時53分
-
3優先席に荷物を置いて大騒ぎする“中国人観光客”。注意した高校生に5人がかりで罵声を浴びせ…助けに入った“意外な人物”
日刊SPA! / 2025年1月22日 8時51分
-
4ダイソーの茶わん蒸し器が買い。レンジで簡単、プルンプルンで感動です:1月に読みたい記事
女子SPA! / 2025年1月22日 8時44分
-
5「エンジンブレーキは迷惑行為!」で物議を呼んだ「エンブレ問題」って何!? そもそもなぜ「エンジンブレーキ」は存在し、どう使うべきなのか?
くるまのニュース / 2025年1月22日 16時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください