米国版はやぶさ「オシリス・レックス」、打ち上げ成功! 小惑星ベンヌでサンプル・リターン
sorae.jp / 2016年9月9日 10時8分
小惑星からサンプルを採取し持ち帰る「サンプル・リターン計画」にて、NASAが大きな第一歩を踏み出しました。同局は9月8日(現地時間)、小惑星探査機「オシリス・レックス」の打ち上げに成功したのです。
アトラスVロケットによってフロリダのケープ・カナベラルから打ち上げられたオシリス・レックスは現在日心軌道を目指して飛行中で、2週間後には搭載した科学観測機器をオンにします。その後、オシリス・レックスは太陽の周りを飛行しながらベンヌへと軌道を変え、2017年9月には地球をスイングバック。そしてスイングバックから得たエネルギーにより、2018年8月にはベンヌに到達するのです。
ベンヌに到達したオシリス・レックスはベンヌのマッピングを行い、サンプルを採取するのに最適な地点を探します。そして、2020年の7月にはTAGSAMという機器を利用し、たった5秒で60グラムほどのサンプルを採取。最終的には2023年9月にサンプルの入ったカプセルが地球へと到着する予定です。なお、これが成功すればNASAにとって初となる小惑星からのサンプル・リターン計画の成功となるのです。また、宇宙に残されたオシリス・レックスを再利用する計画もあります。
さてこのサンプル・リターン計画ですが、その目的は初期の太陽系の姿を解き明かし、生命の起源が何なのかを明らかにすることにあります。NASAの科学者はオシリス・レックスが持ち帰ったサンプルを分類し、観測することでその化学的な組成を分析する予定です。
小惑星からのサンプル・リターン計画では日本がかなり進んだ位置にあり、すでに小惑星探査機「はやぶさ」にてイトカワからの資料の持ち帰りに成功。さらには2014年には「はやぶさ2」をうちあげ、小惑星リュウグウからのサンプル・リターンを目指しています。このオシリス・レックスのミッションでもNASAとJAXAは協力し、サンプルをシェアすることでより深い研究を目指しているのです。
私たちはどこから来て、どこへ行くのか…という根源的な問いかけの答えが、もしかしたら将来の宇宙探査で見つかるのかもしれませんね!
Image Credit: NASA TV
■NASA’s OSIRIS-REx spacecraft is now on its way to asteroid Bennu
http://www.theverge.com/2016/9/8/12838696/nasa-osiris-rex-mission-spacecraft-asteroid-bennu?utm_source=rss&utm_medium=rss
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