あまりに巨大…新ロケット「ニュー・グレン」を発表したアマゾンCEOの展望とは?
sorae.jp / 2016年9月13日 9時24分
昨日12日、アマゾンCEOことジェフ・ベゾスが率いる宇宙開発企業のブルー・オリジンは超大型ロケット「ニュー・グレン」を発表しました。イラストからもわかる通り、ニュー・グレンは現在運用されているスペースXのファルコン9やデルタIVよりもかなり大きなサイズとなっています。
この初めて軌道周回飛行を行なったアメリカ人飛行士「ジョン・グレン」の名前がつけられたロケットは直径が7メートル、全長が約82メートルから95メートルと、アメリカ史上最大のロケット「サターンV」に迫るサイズになっています。またロケットが2段階の構成でも衛星をLEO(地球低軌道)へと投入可能となっており、3段階の構成では荷物をさらに遠くへと投入可能です。
さらに、ロケットの第一段階は地上への着地と再利用を目指します。このような設計は現在ブルー・オリジンが開発中のロケット「ニュー・シェパード」や、スペースXのファルコン9ロケットと似た設計思想となっており、ロケットの建造コストの削減が見込めそうです。
ニュー・グレンの本体下部に搭載されるのは、現在開発中の7基のBE-4エンジン。このエンジンは米ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが開発中の新型ロケット「バルカン」にも搭載されます。また7基のエンジンの合計推力は385万ポンド。これはデルタVヘビー以上、ファルコンヘビー以下というスペックです。
そして、ニュー・グレンは現在フロリダのケープ・カナベラルにて建設中のブルー・オリジンの施設にて建造されます。初打ち上げは10年以内にケープ・カナベラルの第36発射台から行われる予定です。
また、同社は「ニュー・アームストロング」というさらなるロケット計画も明かしています。具体的なプランは不明ですが、おそらくこちらは月などの衛星・惑星探査を視野に入れているものと思われます(アポロ11号で初の月面着陸を成し遂げたのはニール・アームストロング船長)。
これまでは宇宙観光やISSへの商用人員輸送に向けて歩みを進めてきたブルー・オリジンですが、ニュー・グレンを持つことで人工衛星の打ち上げのみならず、地球周回軌道を超えた荷物の打ち上げを希望する企業や科学者へと新たな提案が可能になります。今後アメリカの民間宇宙開発競争はスペースXやユナイテッド・ローンチ・アライアンスだけでなく、ブルーオリジンも含めた三つ巴でさらにヒートアップしそうです。
Image Credit: Blue Origin
■Jeff Bezos unveils the design of Blue Origin’s future orbital rocket — the New Glenn
http://www.theverge.com/2016/9/12/12887580/blue-origin-orbital-rocket-design-announced-new-glenn?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
スペースX、詳細未公開の通信衛星「Optus-X」を打ち上げ
sorae.jp / 2024年11月18日 13時29分
-
福島から宇宙へ、気球からの打ち上げに挑むAstroXの「FOX」発射実験を見た!
マイナビニュース / 2024年11月16日 6時0分
-
スターリンク衛星打ち上げ成功(Starlink Group 9-9、10−13)
sorae.jp / 2024年10月31日 11時34分
-
スペースX、アメリカ国家偵察局「NROL-167」ミッションの打ち上げを実施
sorae.jp / 2024年10月25日 16時49分
-
ブルー・オリジン、「ニューシェパード」で無人ミッション実施 新カプセルが飛行
sorae.jp / 2024年10月24日 17時9分
ランキング
-
1【冬の乾燥対策に】ドラッグストアで手軽に買える! ハンドクリーム5選
マイナビニュース / 2024年11月21日 17時0分
-
2書店に行くとなぜか急にトイレに行きたくなる「青木まりこ現象」とは?
マイナビニュース / 2024年11月21日 16時2分
-
3【風呂キャンセル界隈】医師「心身が疲れた時こそ入浴を」 - 安全で健康的な方法とは
マイナビニュース / 2024年11月21日 11時0分
-
4とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
5生産性を上げ、まわりと差がつく5つの栄養素 ライバルを出し抜くために必要なのは「食事」
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 10時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください