イーロン・マスク氏、自社の宇宙船は「火星を超えた探査が可能」と発言
sorae.jp / 2016年9月20日 13時0分
もはや火星探査レースすら通過点になるのでしょうか? 宇宙開発企業のスペースXを率いるイーロン・マスク氏は自社の宇宙飛行システム「マーズ・コロニアル・トランスポーター(MCT)」について、「火星を越えて宇宙探査ができる能力があることが判明した。我々はこのMCTに新しい名前が必要になるだろう」とTwitter上で発言したのです。
そもそも、マーズ・コロニアル・トランスポーターとは火星へと人を運び、コロニーを作るための宇宙輸送船です。一度に100人の輸送が可能で、100トン以上の打ち上げ能力を持つとされています。また新しい計画名について、マスク氏は「インタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS)」が気に入り、MCTをITSに改名。この計画の詳細については来週メキシコにて開催される宇宙関連のイベント「IAC」にて発表されます。
そもそも自社の計画について「新たな事実が判明した」とはどういうことだ……と思いますが、これには同社とりかこむ状況が影響していそうです。まず、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が率いるブルー・オリジンは9月13日に超大型ロケット「ニュー・グレン」を突如発表。さらに「ニュー・アームストロング」という別のロケット計画もあることを明かしており、未発表ながら火星を含めた月・惑星探査を視野に入れているものと思われます。
さらに、スペースX自身は9月1日にロケットが発射台で大爆発を起こし、搭載していた人工衛星もろともファルコン9を1機喪失。次のロケット打ち上げは11月とかなり間近に迫っていますが、同社のロケット打ち上げは「オールグリーン」とは言い難い状況です。このような中、同社は「火星を越えた宇宙探査の可能性」を発表することで、自社の技術力や宇宙開発への情熱を誇示したかったのかもしれません。
スペースXは2018年に、ロケット「ファルコン・ヘビー」にて火星に無人のドラゴン宇宙船を送り込む予定です。また、26ヶ月周期でさらなる火星探査を行ないたいとも表明しています。さらに、計画が全てうまく行けばITSは火星に向け2024年に打ち上げられる予定です。
火星の向こうといえば、アステロイドベルトと呼ばれる小惑星帯を超えると木星が存在します。はたして、人間が惑星間を自由に飛び回る時代が私達が生きているうちにくるのでしょうか? しかしイーロン・マスク氏なら、間違いなくイエスだと言いそうですね。
Image Credit: Space X
■Elon Musk Says SpaceX’s New Spaceship Could Go ‘Well Beyond Mars’
http://www.space.com/34115-spacex-mars-colony-spaceship-elon-musk.html?utm_source=rss&utm_medium=rss
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