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銀河の数、従来予測の10倍の「2兆個」 ハッブル宇宙望遠鏡の観測により判明

sorae.jp / 2016年10月15日 15時56分

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NASA、ESAで構成された天文学者のチームが、ハッブル宇宙望遠鏡の観測結果から、観測できる銀河が2兆個あると発表しました。

 

天文学者エドウィン・ハッブルが提唱したように、「宇宙にどれくらいの銀河があるのか」というものは、天文学における最も基本的な問題の1つです。1990年代半ば、天文学者はハッブル宇宙望遠鏡の観測結果から、私たちが観測できる宇宙には約2000億個の銀河が存在する、と発表しました。しかし、その数を更新する、新たな研究結果が発表されたのです。

 

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チームは望遠鏡で観測できていない他の銀河がどこに存在するのかについて、新しい数学モデルを取り入れて調べました。その結果、既に存在が知られている銀河より、少なくとも10倍、2兆個の銀河がなければおかしいことがわかりました。チームを率いるノッティンガム大学教授のChristopher Conselice氏は「宇宙の銀河の90%以上がまだ観測されていないという事実は、私を圧倒させます」とコメントしています。

 

また、130億年以上前のビックバンが起きて間もない宇宙を分析することで、初期の宇宙には現在よりも多くの小型の銀河が存在していたことを発見しました。それらは宇宙が進化していくにつれて、結合して今のような大きな銀河になっていったのです。その時期に宇宙において重要な進化が起こったに違いないということを意味しています。

 

今回の研究成果は「オルバースのパラドックス」を解決するものになるかもしれません。1823年、ドイツの天文学者オルバースは「宇宙が無限であり、かつ星で宇宙の隅々まで埋め尽くされいるなら、夜空は明るいはず」という説を提唱しました。でも、実際の夜空は暗いですよね。なので、この説はパラドックス(矛盾)と呼ばれているのです。多くの銀河が減少して結合したということは、宇宙にムラが生まれた、ということでもあります。これが、星で埋め尽くされていないことについての回答になりそうです。

 

2018年に打ち上げが予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡なら、遠くでかすかに光る銀河も観測できると期待されています。私たちがまだ見ぬ宇宙に、この先出会えることになるでしょう。

 

Image Credit:  NASA, ESA, the GOODS Team, and M. Giavalisco (University of Massachusetts, Amherst),theatlantic.com
■The Universe Has 10 Times More Galaxies Than Scientists Thought
http://www.space.com/34382-universe-has-10-times-more-galaxies-hubble-reveals.html#sthash.lPgbenBf.uxfs?utm_source=rss&utm_medium=rss

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