衛星タイタンにメタンの雲を観測 スイー、と北半球の上空を移動
sorae.jp / 2016年11月10日 17時10分
土星の第6惑星「タイタン」。この土星最大の衛星は、窒素とメタンで満ちた世界であることがわかっています。そしてNASAの探査機「カッシーニ」は新たに、メタンの雲がタイタン上空を移動する様子の撮影に成功しました。
動画を見ると、タイタンの複数箇所にメタンの雲が現れ、移動しているのがわかります。画像の撮影は、今年の10月29日〜30日にかけて行われました。タイタンの大気は大部分を占める窒素と少量のメタンから成り立っており、このメタンはまるで地球の水のように雨や河、海として形態を変えながらタイタンに存在していることもわかっています。
NASAの公式発表では、「今回の観測では、北緯49〜55度に存在する長い雲を見つけることができました。雲が常に存在し続ける領域もありますが、個別の雲が現れ、そして消えていくのも同時に観察できたのです。これらの雲は時速23〜35kmで移動しているものと推測できます」とのこと。また北極の液体炭化水素の湖付近でも、ゆっくりと移動する雲が観測されています。
現在タイタンの北半球は「夏」の時期に向かっており、今後は雲の活動が増加することが期待されます。また衛星の上空は現在澄んでいますが、これもタイタンの季節の移り変わりがまだ終了していないことを意味しているそうです。
タイタンには液体があることから、生命の存在が昔から期待されていました。しかしそれらはメタンから成り立っているので、もし生命が存在していたとしても地球のそれとは大きく異ることが予想されています。また2017年9月に活動を終了するカッシーニですが、それまでにさらなる新発見があることを期待したいですね。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
■Watch Methane Clouds Swirl In Saturn Moon Titan’s Skies (Video)
http://www.space.com/34647-saturn-moon-titan-methane-clouds-video.html?utm_source=rss&utm_medium=rss
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