火星の「古代の氷のコールドロン」が生命探査の有力候補か テキサス大学の新研究より
sorae.jp / 2016年11月15日 13時0分
火星では、現時点でも生命(あるいはその痕跡)を探すための探査プロジェクトが行われています。つい先日に残念ながら着陸機の着地に失敗してしまった「エクソマーズ2016」も、そのうちの1つ。そんな中、テキサス大学の研究者は火星に存在する「氷のコールドロン」こそが火星生命の発見の鍵になるのではないかと推測しています。
この下に掘り下がった形の地形「コールドロン」は、火星のヘラス盆地の内部に位置します。上の画像を見ると、その深さは4,100メートルにも達するかなり大規模なくぼみです。この場所にはかつて巨大な湖があったものと想定されており、さらに氷河や火山活動が盛んだったことを示唆しています。そして氷と溶岩の相互作用が、微小生物を作り出した可能性があるのです。
今回の研究を主導しているJoseph Levy氏は、「なぜ私たちがこの地形に惹きつけられたのかというと、この場所が生命を維持するための重要な要素を保持しているように見えたからなのです。このような同心円状の地形は、地球上でも見られます」と語っています。
このヘラス盆地の地形は最初にマーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)にて撮影されたのですが、Levy氏はさらに3Dモデルを使いこの地形を調査。その結果、これは隕石の衝突ではなく「氷のコールドロン」であることが判明したのです。Levy氏は続けて、「この地形の中心に溶けた凝縮物があり、それが氷を取り除いて物質(生命など)の存在を可能にしたのかもしれません」としています。
今後この氷のコールドロンへと、探査機が派遣されることはあるのでしょうか。より火星の理解が進み、いつか生命の痕跡の発見へとつながることを楽しみにしたいものです。
Image Credit: Joseph Levy/NASA
■Ancient “ice cauldron” on Mars could be a bull’s-eye for finding life
http://newatlas.com/ice-cauldron-bulls-eye-life-mars/46385/?utm_source=rss&utm_medium=rss
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