宇宙で観測史上最も丸い天体「Kepler 11145123」 5,000光年先で観測
sorae.jp / 2016年11月18日 10時23分
宇宙に無数に存在する恒星や惑星は、多くが丸い形をしています。地球だって、丸いはずですよね。でも厳密に見ると、地球は真球ではなく赤道付近が膨らんだ楕円形をしているんです。しかしマックスプランク研究所のLaurent Gizon氏とゲッティンゲン大学は、5,000光年先にこれまでで最も球に近い天体「Kepler 11145123」を発見したのです。
上の画像は、太陽とKepler 11145123を比較したものです。普通天体はその回転の遠心力により、赤道直径が膨張する傾向があります。これはろくろなどを想像するとわかりやすいですね。例えば、地球も赤道直径が極直径より42.77km長くなっています。一方、太陽の極直径と赤道直径の差はたったの10kmしかありません。自転の遅い太陽は、かなり丸いといえるでしょう。
しかしKepler 11145123の場合、太陽より大きいにも関わらず極直径と赤道直径の差は3kmしかないんです。これは、これまで宇宙で観測された天然物の中でもっとも球に近いものとなります。人工的に作り出したシリコン球は一応もっと丸いのですが、天然物ならKepler 11145123がピカイチです。
今回の観測は、ケプラー宇宙望遠鏡にて行われました。また研究チームによれば、Kepler 11145123は9日に1回という自転の速度を考えてもなお丸いとのことです。これについては、もしかしたら惑星からの磁界がKepler 11145123の低緯度をコルセットのようにすぼめているのでは……との予測もあります。また今後、Laurent Gizon氏はこの結果を他の天体にも当てはめて観測を続けるそうです。恒星の形からその活動が予測できるとすれば、それもなかなか興味深いですね。
Image Credit: Mark A. Garlick
■Distant star is the roundest object in the Universe
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