地球大気の酸素、月まで届いていた 衛星「かぐや」データより大阪大学など発表
sorae.jp / 2017年1月31日 8時51分
地球と月は平均で38万4400kmの距離がありますが、酸素にとってはその程度の距離は十分移動可能なようです。大阪大学などの研究によると、地球大気の酸素が月まで移動し、月の地表に蓄積されている可能性があることが発表されました。この現象は地球大気に酸素が生成されて以来、24億年間継続されていたものと考えられます。
このような移動は、月の約27日の公転周期のうちの数日間にしか起きないものと予測されます。普段は月は太陽からの太陽風にさらされているのですが、27日のうちの5日間は地球の磁気圏尾の圏内に入ります。そしてその間に、地球からの酸素イオンが月の表面まで到達しているというのです。
今回の研究結果は、月周回衛星「かぐや」の観測データから得られました。地球上の酸素の多くは植物などの生命活動によって生成されたもので、それが月にまで到達していたという事実は実に興味深いものです。またこれまでの月の探査結果から、酸素だけでなく窒素や貴ガスの移動も予測されていました。
月は地球に火星サイズの隕石が落下してその破片でできたという説(ジャイアント・インパクト説)や、小天体の複数回の衝突でできたという新説もあります。さらに古代から地球の酸素が到達していたとすれば、地球と月はこれまで知られていた以上に親しい関係なのかもしれませんね。
Image Credit: Osaka Univ. / NASA
■Oxygen from Earth’s atmosphere may be traveling all the way to the Moon’s surface
http://www.theverge.com/2017/1/30/14432192/earth-moon-atmosphere-oxygen-share-lunar-soil?utm_source=rss&utm_medium=rss
■“地球の酸素が月に到達” 大阪大学などのグループ発表
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170131/k10010858471000.html?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
火星の衛星は崩壊した小惑星の破片から形成された? 新たな研究が示唆
sorae.jp / 2024年11月22日 21時7分
-
磁気嵐起源の「下から上」へ伝わった地球大気最上部の変動を発見
共同通信PRワイヤー / 2024年11月15日 16時0分
-
小惑星「2024 UQ」(A11dc6D)を落下前に観測 前回の同様事例からわずか1か月半後
sorae.jp / 2024年11月14日 21時10分
-
チタンを月から輸送する!? 未来のエネルギーと資源供給を担う月探査計画の実現可能性
sorae.jp / 2024年11月6日 12時5分
-
太陽系外惑星WASP-49 Abに衛星が存在する可能性 イオのような火山活動が起きている?
sorae.jp / 2024年10月24日 21時15分
ランキング
-
1とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
2「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
くるまのニュース / 2024年11月23日 9時10分
-
3余命1年で入院「病院食」のレベルの高さに驚いた 限られた予算で豊富なメニューをそろえる創意工夫
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 9時40分
-
4ファミマの「発熱・保温インナー」はヒートテックより優秀? コンビニマニアが比較してみた
Fav-Log by ITmedia / 2024年11月21日 19時55分
-
5「洗濯離婚」や「エアコン離婚」が起きる納得の理由 熟年離婚の引き金となるのは「ささいなこと」
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 16時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください