「赤ちゃん星」誕生の秘密、アルマ望遠鏡で観測 原始惑星系円盤の形成研究
sorae.jp / 2017年2月9日 9時44分
理化学研究所や東京大学はチリのアタカマ砂漠に設置されたアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:ALMA)を利用して、「原始惑星系円盤」を観測し原始星の誕生の仕組みの一部を解明したと発表しました。
この原始惑星系円盤ですが、星の誕生の際に分子雲が自己重力で集まることで誕生します。しかし分子雲は原始星に近づくと重力よりも遠心力のほうが大きくなるので、円盤が形成できないという謎があったのです。
そこで今回はアルマ望遠鏡を利用しておうし座の太陽型原始星を観測。そしてアルマ望遠鏡の発表によれば、「円盤の端で原始星方向へ落下するエンベロープガスが滞留・衝突し、円盤と垂直方向に膨れ出している」ことを発見したのです。つまり、回転するガスと外側のガスの衝突によって衝撃波が発生し、回転の勢いを殺して内部へとガスが落下できる……というのが、今回の研究内容となっています。
このような重力よりも遠心力が大きく、惑星系円盤が安定して形成される理由がわからなかったことは「惑星系円盤誕生における角運動量問題」と呼ばれていました。また惑星系円盤ではガスが原始星に最大限近づける距離「遠心力バリア」の位置が特定されており、今回の観測はその付近の構造を明らかにするために行われたのです。
今後、研究チームは惑星系円盤形成のシステムの解明が大幅に進むことを期待しています。このような研究が進めば一般的な惑星系誕生の仕組みだけでなく、太陽系の惑星の形成の仕組みも解明できるかもしれません。
Image Credit: ALMA
■2017年2月08日 惑星系円盤誕生における角運動量問題解決の糸口—アルマ望遠鏡で直接観測—
http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/news/pressrelease/201702088114.html?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
新たな星の成長を伝える“砂時計” ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した暗黒星雲「L1527」
sorae.jp / 2024年7月6日 21時26分
-
若き星々が照らす星雲の輝き ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した“へび座”の反射星雲
sorae.jp / 2024年7月1日 21時0分
-
すばる望遠鏡、カイパーベルトの外縁を超える可能性のある天体を発見
マイナビニュース / 2024年6月27日 14時54分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“ケンタウルス座”の不規則銀河「NGC 5253」
sorae.jp / 2024年6月25日 21時47分
-
柔らかに輝きを放つ輝線星雲「RCW 7」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年6月19日 21時5分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
2イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
31日5分で二重アゴ&首のシワを解消!魔法の顔筋トレ「あごステップ」HOW TO
ハルメク365 / 2024年7月17日 22時50分
-
4去勢された「宦官」は長寿集団だった…女性の寿命が男性よりもずっと長い理由を科学的に解説する
プレジデントオンライン / 2024年7月18日 8時15分
-
5なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)