NASA、火星を居住可能にする「人工磁気フィールド」構想中 厚い大気や海が復活する?
sorae.jp / 2017年3月9日 9時38分
地球を居住可能にし、そしてそれ以外の太陽系の惑星への居住を難しくしている理由のひとつに「磁気圏」があります。地球のようにある程度の磁気を帯びていないと、さんさんと降り注ぐ太陽風を防ぐことができないのです。そこで、現在NASAは「火星に人工磁気フィールドを作成」して居住可能な環境に作り変えることを構想しています。
Planetary Science Vision 2050 Workshopにて語られたこの構想では、火星のラグランジュ L1地点に強力な磁気双極子を設置。そして太陽から吹き付ける粒子を、まるで盾のように防ぎます。そして火星大気が増える環境を作り出し、大気により火星が暖かくなって地下の水分が溶け出し、「海」をも復活させられるかもしれないのです。
かつて、火星は地球のように十分な磁気圏を持っていたと推測されています。この磁気圏により火星には大気や「海」があったと推測されているのですが、約42億年前の磁気圏の消失とともに宇宙線によって大気が削り取られ、現在のような赤い乾ききった惑星になったというのです。
もちろんこの計画で火星を住みよい環境にするには、長い年月が必要なことが予測されています。NASAの惑星科学部門のディレクターのJim Green氏も「これは想像的(空想的)なアイディアだ」と語っているのです。なお、人工磁気フィールドの生成には「1〜2テスラ」ほどの磁束密度が必要だとされています。
現在火星は有人探査計画だけでなく、スペースXのイーロン・マスク氏による移植計画までもが持ち上がっています。そんなとき、この人工磁気フィールドは火星移植への解決策になるのかもしれません。
Image Credit: NASA
■To make Mars more habitable, NASA proposes artificial magnetic field
http://technology.inquirer.net/59581/to-make-mars-more-habitable-nasa-proposes-artificial-magnetic-field?utm_source=rss&utm_medium=rss
■Nasa scientist proposes man-made MAGNETIC SHIELD on Mars to make human colonisation easier
http://www.express.co.uk/news/science/776161/Nasa-Mars-colonisation-magnetic-shield?utm_source=rss&utm_medium=rss
この記事に関連するニュース
-
海があるかも? 太陽系外惑星「LHS 1140 b」をウェッブ宇宙望遠鏡が観測
sorae.jp / 2024年7月18日 12時0分
-
NASAとNOAAの静止気象衛星「GOES-U」打ち上げ成功 太陽の活動も観測
sorae.jp / 2024年7月13日 11時16分
-
電通大など、北極圏を覆うほどの巨大オーロラは電子の豪雨によるものと解明
マイナビニュース / 2024年6月26日 18時54分
-
極地研など、北海道で目視された異常に明るい赤いオーロラの謎を解明
マイナビニュース / 2024年6月25日 19時43分
-
人類が遠い惑星に住むための独創的なアイデア どうすれば人間が居住可能な世界にできるのか
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 15時0分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
21日5分で二重アゴ&首のシワを解消!魔法の顔筋トレ「あごステップ」HOW TO
ハルメク365 / 2024年7月17日 22時50分
-
3去勢された「宦官」は長寿集団だった…女性の寿命が男性よりもずっと長い理由を科学的に解説する
プレジデントオンライン / 2024年7月18日 8時15分
-
4イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
5なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください