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独自の方向へ進路を変えた不思議なHH天体

sorae.jp / 2019年2月21日 0時30分

ハッブル宇宙望遠鏡は、生まれたばかりの恒星から高速に放出された熱いガスで形成されている「HH 110」の姿を捉えています。

この様な天体をハービッグ・ハロー天体(Herbig-Haro object)と呼び、HH天体と略されて表現されます。主に「HH」から始まる数字が付けられているため、名前からHH天体であることを容易に把握できます。

オリオン座の方向約1500光年先にある「HH 110」は、一般的なHH天体とは少し異なり、単独で存在しています。HH天体は、生まれたばかりの星の自転軸に合わせて放出され、複数の存在が確認されることが多い。ガスの放出元を辿ることで恒星の存在を把握することができますが、「HH 110」の場合は、該当する恒星が見つかりません。
研究によると「HH 110」は単独のHH天体ではなく、画像外(右下方向)にある別のHH天体「HH 270」の延長の可能性が指摘されています。「HH 270」の先端方向は何らかの影響を受け、一旦消え、角度を変えて再度現れたのが「HH 110」であると推測されています。
(※画面中央下に少し顔を出しているのは、また別のHH天体「HH 451」)

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」で撮影した画像と、広視野カメラ「WFC3」で撮影した画像を合成したもので、2012年7月に公開されました。

 

Image Credit:NASA, ESA and the Hubble Heritage team (STScI/AURA)
■Hubble image of Herbig-Haro object HH 110
https://www.spacetelescope.org/images/heic1210a/
https://www.nasa.gov/mission_pages/hubble/science/cosmic-skyrocket.html

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