やはり太陽系外惑星だった!ケプラーが初期に発見した「Kepler-1658b」を新たな手法で確認
sorae.jp / 2019年3月7日 19時24分
この画像は、太陽のおよそ1.5倍の質量を持つ恒星「ケプラー1658」と、その周囲をわずか3.85日で公転する系外惑星「ケプラー1658b」を描いた想像図です。ケプラー1658bは主星にとても近い軌道を公転する「ホットジュピター」の一つとされています。
ケプラー1658bを発見したのは、今から10年前の2009年3月に打ち上げられ、数多くの系外惑星発見に貢献したNASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」です。
ケプラー1658bはケプラー宇宙望遠鏡の観測による最初の系外惑星候補のひとつでしたが、後に誤検知だったとして取り下げられていました。その理由は、主星であるケプラー1658のサイズが、今よりも小さく見積もられていたためです。
状況が変わったのは2017年。ハワイ大学天文学研究所の大学院生Ashley Chontos氏が、恒星が発する音波を用いた新しい手法でケプラー宇宙望遠鏡の観測データを再分析したところ、それまで太陽の1.1倍程度だと思われていたケプラー1658の直径が、実は太陽の3倍近かったことに気が付いたのです。
連絡を受けたスミソニアン天体物理観測所の天文学者Dave Latham氏(Chontos氏とともに論文を共著)が分光データを集めた結果、ケプラー宇宙望遠鏡によるデータの検出から10年を経て、木星の6倍近い質量を持つケプラー1658bの存在が確認されました。
ケプラー宇宙望遠鏡は、恒星の手前を惑星が横切る際に生じるわずかな光の変化を捉える「トランジット法」によって、系外惑星の存在をキャッチしてきました。そのデータを正しく理解するには、恒星のサイズも正確に求める必要があるのです。
「ケプラーのデータにはたくさんの宝物が眠っています」と語るChontos氏。2018年10月に惜しまれつつも運用を終えたケプラー宇宙望遠鏡ですが、その遺産はこれからも貴重な発見を私たちにもたらしてくれることでしょう。
Image credit: Gabriel Perez Diaz/Instituto de Astrofísica de Canarias
https://www.nasa.gov/feature/discovery-alert-keplers-first-planet-candidate-confirmed-10-years-later
文/松村武宏
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