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まがまがしい…。ヨーロッパ南天天文台がシャープに捉えた「宇宙コウモリ」の姿

sorae.jp / 2019年3月19日 21時44分

この画像は、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡「Very Large Telescope(VLT)」によって撮影された反射星雲「NGC 1788」の姿。NGC 1788は有名なオリオン座の三ツ星に近い方角にあり、神話上のオリオンの姿を借りて表現すれば、左足の脛のあたりに位置します。

画像中央に並んでいるオレンジ色の2つの星を中心に、塵の雲がその周囲へと複雑に広がっているように見えます。雲が星の光に明るく照らし出されたり、逆に光をさえぎったりして描き出されたその姿は、ESOが「Cosmic Bat(宇宙のコウモリ)」と表現しているように、まるでギラギラと輝く目をこちらに向けながら、翼を広げて飛び上がった生き物のようでもあります。

超大型望遠鏡VLTは、口径8.2mの望遠鏡4つを中心に構成されています。地球から2,000光年ほど離れたところにあるNGC 1788は、もともと肉眼では識別できないほど暗い天体ですが、今回はVLTを構成する望遠鏡の1つ「Antu」に設置されている光学観測機器「FORS2」の20周年を記念して、これまでで最も鮮明なNGC 1788の姿が撮影されました。

「FORS2」は空の広い範囲を精密に撮影できるだけでなく、天体のスペクトルや偏光を観測する機能も備えており、その幅広い用途から付いたニックネームは「観測機器のスイスアーミーナイフ」。2016年7月には、現在JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」が滞在している「リュウグウ」の観測も実施しました。

まがまがしくも目が離せない宇宙コウモリの姿。ESOでは「Cosmic Gems(宇宙の宝石)」プログラムと題して、科学観測の合間にこうした魅力的な天体の写真を撮影・公開しています。

Image credit: ESO
https://www.eso.org/public/news/eso1904/
文/松村武宏

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