青い光の中にいる。周囲の物質を食べ尽くす活動銀河核
sorae.jp / 2019年3月24日 11時9分
白い霧の様に広がる天体の中に、青く鮮やかな構造を持つ銀河があります。その前景には散りばめられた輝く星々。そして、周囲は星の様にも見える複数の銀河を発見することができます。この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」が撮影した不規則銀河「IC 4870」と周辺の銀河や星々を捉え、2018年6月に公開されたものです。
くじゃく座の方向約2800万光年先に位置する「IC 4870」は、今から100年以上前の1900年にアメリカの天文学者デリール・スチュワートによって発見されました。
「IC 4870」は活動的で明るい「活動銀河核(AGN:active galactic nucleus)」を持っています。活動銀河核は、電波・赤外線・紫外線・X線・ガンマ線など様々な波長を放出し、非常に明るい光を発しています。このエネルギー源は「IC 4870」の場合、銀河の中心にある小さな領域に存在する超大質量ブラックホールの作用によるもの。このブラックホールは周囲の豊富にある物質を食べ尽くすまで活動を続けます。また、「IC 4870」は活動銀河の中でも、特徴的な輝線を放つセイファート銀河に分類されています。
ハッブル宇宙望遠鏡は「IC 4870」の周囲にある幾つかの活動銀河も捉えています。それらの活動銀河核の小規模構造を研究することで、銀河の衝突や合体、銀河中央の棒構造、放出されるジェット、銀河核と周辺環境との相互作用などの痕跡を見つけることができ、銀河の性質を解明するための重要な手掛かりになるのです。
Image Credit:ESA/Hubble & NASA
https://www.spacetelescope.org/images/potw1823a/
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