観測開始から13年。火星探査機「MRO」が周回6万周を達成!業績をまとめた画像を公開
sorae.jp / 2019年5月17日 21時11分
NASAのジェット推進研究所(JPL)は2019年5月14日(日本時間)、火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)」による火星周回軌道の総周回数が6万回を突破したと発表しました。これを受けて、MROの業績をまとめたインフォグラフィック(MROにまつわる数値を1枚の画像にまとめたもの)も公開されています。
2006年3月10日に火星周回軌道へと投入されたMROは、毎秒およそ3.4kmの速度で火星を周回し続けています。1周にかかる時間は112分なので、毎日火星の周りを12~13周していることになります。
MROには、高度300kmから地表のダイニングテーブルを見分けられるほどの高解像度カメラ「HiRISE」が搭載されています。この強力なカメラを用いて、MROは火星のさまざまな表情を13年間に渡り撮影し続けてきました。画像の総数は、実に37万枚以上。計算上は1日あたり平均80枚近くに上り、JPLは「snap-happy(撮りたがり)」と表現しています。
以下の画像数点は、MROによって撮影された火星の地表です。地球の景色に似ているようでどこかが違う、ダイナミックな火星の表情を垣間見せてくれています。
画像のなかには、火星に降り立った探査機たちを捉えたものも含まれます。2017年6月5日に撮影されたこちらの画像の中央付近には、MROによって撮影された火星探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」、通称「キュリオシティ」が青いドットとして写っているのがわかります。
MROのように火星の周回軌道を巡る探査機には、地表の探査機と地球とを結ぶ中継衛星としての役割も与えられています。MROは主にキュリオシティの通信中継を担当していますし、2001年から火星を周回している「2001 マーズ・オデッセイ」は、昨年着陸に成功した「インサイト」の通信を中継しています。
このところ月面探査をめぐるニュースが相次いでいますが、「Moon to Mars(月から火星へ)」という言葉をかかげるNASAにとって、火星探査は月面探査の延長線上に位置します。2028年からという目標が掲げられている継続的な有人月面探査が実現したその先には、いよいよ人類が火星へと到達する時代が始まるのでしょうか。
Image credit: NASA/GSFC/Arizona State University
https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=7401
文/松村武宏
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