ブラックホールとスターバーストが描く天体。強力なメガメーザー銀河を構成する2つの核
sorae.jp / 2019年7月7日 22時18分
この画像はハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」と近赤外カメラ及び多天体分光器「NICMOS」を用い、地球から約3億7000万光年先の位置する強力なマイクロ波を放つメガメーザー銀河「IRAS 16399-0937」を鮮明に捉えたものです。メガメーザーとは強力なエネルギー(今回はマイクロ波)の放出過程のことで、その明るさは銀河系で発見される通常のメーザーの1億倍にも達します。
「IRAS 16399-0937」は、周囲のガスや塵をまとう2つの銀河核によって形成され、北側の銀河核(画像中心)は「IRAS-16399N」と南側の銀河核(画像下側)は「IRAS-16399S」と名付けられています。2つの銀河核は1万1000光年離れていますが、銀河の規模を考えると非常に接近している状態と言えます。
南のIRAS-16399Sは急速なスピードで星を生み出しているスターバースト現象が確認され、北のIRAS-16399Nには太陽質量の1億倍の超大質量ブラックホールが存在すると推測されています。2つの銀河核は時間をかけて更に接近しながら相互作用を強め、独創的な形状をより進化させながら合体していくことでしょう。
この画像は2016年12月に公開されたものです。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, Acknowledgement: Judy Schmidt (geckzilla)
https://www.spacetelescope.org/images/potw1652a/
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