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「エウロパ・クリッパー」設計の最終段階へ。打ち上げは早ければ4年後

sorae.jp / 2019年8月22日 21時28分

NASAのジェット推進研究所(JPL)は8月19日、木星の衛星エウロパの探査を目的に開発が進められている探査機「エウロパ・クリッパー」について、設計の最終フェーズに移行することが決定したと発表しました。今後は設計が完了し次第、いよいよ探査機の製造と試験が始まることになります。

エウロパをフライバイする「エウロパ・クリッパー」の想像図(2016年時点)

■木星を周回しながらエウロパに40回以上接近して観測

エウロパ・クリッパーのミッションでは、エウロパの内部構造や組成を知るための観測が実施されます。

探査機がエウロパそのものの周回軌道に入ることはありませんが、計画では木星の周回軌道を飛行しつつ、エウロパを合計45回に渡りフライバイ探査します。別の衛星であるガニメデやカリストの重力も利用して軌道を調整しつつ、最終的には高度25kmまでエウロパの表面に接近することになります。

搭載される観測機器には、エウロパの表面を50mの解像度で撮影するカメラ「EIS(Europa Imaging System)」や、表面の氷の厚さや地下に存在すると見込まれる海の深さなどを測定する「PIMS(Plasma Instrument for Magnetic Sounding)」、エウロパから放出された固体粒子の組成を調べる「SUDA(SUrface Dust Mass Analyzer)」などが選定されています。

エウロパの表面に見られる線条とその拡大画像(Credit: NASA/JPL/University of Arizona)

生命の存在が期待されている地下の海だけでなく、氷の地殻の表面に何本もの線条が走っている領域や、黄色っぽく変色した塩化ナトリウム(食塩の主成分)が広く分布しているとみられるタラ地域など、エウロパには興味深い特徴が幾つもあります。

エウロパ・クリッパーに搭載される数々の観測装置によって、内部の詳細な構造、表面にある物質の組成、地下の海の塩分濃度など、エウロパに関するさまざまな知識が得られることが期待されます。打ち上げは2023年から2025年までに実施される予定です。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
https://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=7480
文/松村武宏

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