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世界初の宇宙遊泳で知られるアレクセイ・レオーノフ氏、この世を去る

sorae.jp / 2019年10月14日 21時20分

2019年10月11日、ロシア(旧ソ連)の伝説的宇宙飛行士アレクセイ・レオーノフ氏が亡くなりました。85歳でした。

■ガガーリンと同時代に活躍、アポロとの歴史的ミッションにも参加

ボスホート2号に搭乗したアレクセイ・レオーノフ氏による人類初の宇宙遊泳(Credit: FAI)

レオーノフ氏は1960年代に旧ソ連で進められていた有人宇宙飛行計画において選ばれた、ユーリ・ガガーリン氏をはじめとした宇宙飛行士たちの一人でした。

1965年3月18日、レオーノフ氏はパヴェル・ベリャーエフ氏とともに宇宙船「ボスホート2号」に乗って地球周回軌道に打ち上げられました。ボスホートはガガーリン氏も乗った宇宙船「ボストーク」を改良したもので、ボスホート2号には伸縮するトンネルのような形をしたエアロックが装備されていました。

打ち上げ同日、展開されたエアロックに入ったレオーノフ氏は、地上からの指示を待ち船外へと漂い出ます。レオーノフ氏と宇宙空間を隔てるものは、着用している宇宙服のみ。わずか12分間でしたが、人類が初めて実施した宇宙遊泳として歴史に刻まれることとなりました。

地球周回軌道上で対面を果たしたレオーノフ氏(下)とNASAのドナルド・「ディーク」・スレイトン氏(上)(Credit: NASA)

1975年には、アメリカの「アポロ」宇宙船と旧ソ連の「ソユーズ」宇宙船を軌道上でドッキングさせる「アポロ・ソユーズテスト計画」に、レオーノフ氏はソユーズの船長として参加。同年7月17日、ドッキングモジュールを介してつながったアポロの飛行士たちと笑顔で対面を果たしました。

この計画は東西冷戦をリードしてきた米ソの緊張緩和を象徴するミッションであるとともに、国際的な協力体制のもとで宇宙開発を進めていくひとつの契機となり、計画から四半世紀ほど後の1990年代に建造が始まった「国際宇宙ステーション(ISS)」にもつながっていくことになります。

2015年、アポロ・ソユーズテスト計画でアポロ宇宙船の船長を務めたトーマス・スタッフォード氏(左)と再会したレオーノフ氏(右)(Credit: Gagarin Cosmonaut Training Center)

■宇宙を題材とした絵を描く画家としても活躍

レオーノフ氏は後年、画家としても活躍。自らの宇宙遊泳をはじめ、宇宙を題材にした絵画を描くなど、芸術家としての才能も発揮してきました。

人類初の宇宙遊泳から来年で55年。現在では「船外活動(EVA:Extra Vehicular Activity)」と呼ばれることが多い宇宙空間での活動の礎として、レオーノフ氏の名はこれからも語り継がれていくことでしょう。

レオーノフ氏自身が描いた、ボスホート2号における宇宙遊泳の様子(Credit: Dan Beaumont Space Museum)

 

Image: NASA
Source: Roscosmos – NASA
文/松村武宏

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