電波望遠鏡で描き出す銀河系の中心部
sorae.jp / 2019年10月27日 23時23分
私たちの銀河系の中心部では何が起きているのでしょうか?
地球から銀河系の中心を可視光で見ようとしても、星間塵(宇宙塵、宇宙空間にある微粒子)が光を遮ってしまうため観測は困難です。しかし電波のように他の波長の光を使うと観測することができ、さらにその活動的な様子も見えてきます。
この画像は南アフリカに完成した電波望遠鏡「MeerKAT」が観測した電波画像です。MeerKATでは直径13.5メートルのアンテナ64台を連携させ(アレイと呼びます)、天体から来る電波をキャッチしています。この画像がカバーする範囲を地球から観測すると、夜空に満月を4個ほど並べたくらいの大きさに相当。電波が強いところを明るい色で表現していますが、詳しく見るとさまざまな形・強弱があることがわかります。この領域には過去に他の望遠鏡でも観測した天体がありますが、MeerKATアレイによりそれらも含めて非常に詳細・鮮明に映し出されているのです。
よく知られている天体は画像中で「Sgr A(いて座A)」などとして示されています(「Sgr」はいて座(Sagittarius)のことで、私たちの銀河系の中心はいて座の方向にあるため、このような名前がついています)。画像中心の右側に示された「Sgr A」は銀河系の中心にある超大質量ブラックホールを宿しています。その他、中央から左側にかけて弧を描いた「アーク(Arc)」と呼ばれる構造や多数のフィラメントのようなものが見えますが、それらの電波源についてはまだよくわかっていません。
MeerKATが目指す観測対象は他にもあり、はるか昔(宇宙の年齢が若いころ)に放出された中性水素からの電波放射や、遠く離れた天体から短時間に電波が放射される「高速電波バースト」も含まれています。これからの成果が楽しみですね。
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Image: MeerKAT, SARAO
Source: NASA
文/北越康敬
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