NASA探査機、1年かけて南天全体を観測。208枚の画像から作られたパノラマ画像
sorae.jp / 2019年11月8日 22時58分
2018年7月から観測を開始したNASAの系外惑星探査衛星「TESS」。今回、TESSによって撮影された南天のパノラマ画像が公開されました。
■太陽系に比較的近い系外惑星を2年かけて全天から捜索こちらが今回公開された南天のパノラマ画像。TESSによって撮影された208枚の画像をもとに作成されました。画像の上から下にかけて、左に湾曲しながら伸びている天の川がはっきりと写っているのがわかります。
画像の上にはオリオン座(Orion)、右にはくじら座(Cetus)、下にはいて座(Sagittarius)やさそり座(Scorpius)の一部、左にはうみへび座(Hydra)といった、日本からでも見える星座が周辺部分に写っています。
いっぽう、中央付近に目立って見える大マゼラン雲をはじめ、画像の内側には日本からは見えない星々も写っています。
TESSの主な任務は、恒星の明るさがわずかに変化する様子をキャッチすることで、太陽に比較的近い恒星を周回する太陽系外惑星を発見することにあります。画像の範囲にはTESSの観測によって発見された29の系外惑星と、1000を超える系外惑星候補が存在しています。
また、主な任務ではないものの、がか座ベータ星を周回する太陽系外彗星、遠方の銀河で恒星がブラックホールに引き裂かれた様子や幾つかの超新星爆発なども、この範囲内でTESSによって観測されています。
TESSには16個のCCDセンサーから構成されるカメラが合計4台搭載されていて、13のセクター(領域)に区切られた空のうち、1つのセクターを27日間に渡り観測し続けます。あるセクターを観測したら次のセクターを同じように観測し、その次も……といったようにセクターを変えながら観測することで、TESSは画像のようにおよそ1年かけて南天のほぼ全体を観測し終えました。
現在は北天に対して同様の観測を続けているTESSのデータは、2021年打ち上げ予定の「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡が観測を実施する系外惑星の絞り込みなどにも利用される予定です。
Image: NASA/MIT/TESS and Ethan Kruse (USRA)
Source; NASA
文/松村武宏
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