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間もなく太陽に最接近する恒星間天体「ボリソフ彗星」の最新画像が公開

sorae.jp / 2019年11月27日 20時10分

今年の8月に発見された、観測史上2例目となる恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。あと10日余りで太陽に最接近するボリソフ彗星の最新画像が国内外から公開されています。

■ケック天文台ではボリソフ彗星の全体像を撮影

ケック天文台で撮影されたボリソフ彗星(Credit: P. van Dokkum, G. Laughlin, C. Hsieh, S. Danieli/Yale University)

ハワイのマウナケア山にあるケック天文台からは、Pieter van Dokkum氏(イエール大学)らが同天文台の低分解能撮像分光計「LRIS」を使って11月24日(現地時間)に撮影したボリソフ彗星の全体像が公開されました。核を取り巻くコマから広がり伸びていく尾が写し出されています。

同じ縮尺の地球の画像をボリソフ彗星の隣に合成した比較画像も公開されており、彗星の核から放出されたガスや塵によって形成された尾が、地球を上回るサイズにまで広がっている様子がわかります。発表によると、現在のボリソフ彗星の尾の長さは地球の直径の14倍にあたるおよそ10万マイル(約16万km)に達しているようです。

ボリソフ彗星と地球を同じ縮尺で並べた比較画像(Credit: P. van Dokkum, G. Laughlin, C. Hsieh, S. Danieli/Yale University)

van Dokkum氏ら研究チームは、LRISによって取得された観測データを通して、ボリソフ彗星を構成する太陽系外の物質の組成を詳しく調べようとしています。なお、発見当初は10kmを上回る可能性も指摘されていたボリソフ彗星の核の大きさは、今回の発表では1マイル(約1.6km)ほどとされています。

■東京大学木曽観測所は夜空を移動するボリソフ彗星を動画で撮影

また、東京大学木曽観測所からは、同観測所の105cmシュミット望遠鏡に取り付けられている観測装置「Tomo-e Gozen(トモエゴゼン)」によって11月16日未明に撮影されたボリソフ彗星の動画がこちらのページで公開されています。動画は24分間の撮影データを300倍速にしたもので、星々の間を移動するボリソフ彗星が捉えられています。

赤丸内がトモエゴゼンによって撮影されたボリソフ彗星。画像は公開されている動画の一部をキャプチャしたもので、赤丸は筆者が追加(Credit: 東京大学木曽観測所)

ボリソフ彗星は12月8日に太陽へ最接近します。太陽からほぼ2天文単位(地球から太陽までの距離の2倍)まで近付いたあとは太陽系の外へ向かって飛び去り、二度と戻ってくることはありません。

 

http://www.keckobservatory.org/comet-borisov/
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/NEWS/borisov2019/borisov2019.html
文/松村武宏

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