宇宙に浮かぶ”点”の様な地球。ボイジャーが60億km先から撮影した「ペイル・ブルー・ドット」
sorae.jp / 2020年2月14日 11時13分
1990年2月14日、地球からおよそ60億km離れた場所を飛行していたNASAの無人探査機「ボイジャー」1号によって、地球を含む6つの惑星と太陽が撮影されました。撮影から30周年を迎えた今年、広大な宇宙に浮かぶ点のような地球の姿から「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot:淡く青い点)」と呼ばれる歴史的な写真を、NASAが最新の技術を使って再処理しています。
■人類のすべてが、この淡い点のなかに詰まっているこちらが現代の画像処理技術で再処理された「ペイル・ブルー・ドット」です。画像の中央付近、散乱した太陽光の帯のなかに小さな点として写っているのが、60億km先から撮影された地球です。このときの地球はボイジャー1号からは三日月型に見えており、カメラから見える地球のサイズは1ピクセルにも満たない0.12ピクセルしかありませんでした。
1980年11月に土星の接近観測を終えたボイジャー1号はその後も観測を続けていましたが、探査機としての寿命を延ばすべく、カメラをシャットダウンすることになりました。このとき、当時ボイジャー計画に携わっていた天文学者のカール・セーガンによって、シャットダウンする前のカメラを使って「太陽系の家族写真(Family Portrait of the Solar System)」を撮影することが提案されます。
カメラのシャットダウン直前に実施されたボイジャー1号による太陽系の家族写真撮影では、金星、地球、木星、土星、天王星、海王星、そして太陽が写されました(水星は太陽に近すぎ、火星は散乱した太陽光にまぎれてしまい、冥王星は暗すぎたために写すことができませんでした)。地球が写った「ペイル・ブルー・ドット」と呼ばれる画像は、全部で60枚撮影された写真の1つとなります。
人類を含むすべての生命、その暮らし、46億年に渡るこれまでの歴史が詰まっている小さな点を写したこの画像は、ボイジャー1号に搭載されている「狭域カメラ(Narrow-Angle Camera)」を使い、緑、青、紫のフィルターを通して撮影された3枚の画像を合成することによって作成されました。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA
文/松村武宏
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