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秒速480kmで回転する銀河「UGC 12591」

sorae.jp / 2020年2月22日 21時13分


【今日の天体紹介:銀河 UGC 12591】

画像の左下に見える大きな天体は銀河で、「UGC 12591」という名前が付けられています。渦巻銀河を横から見た姿のようにも見えますが、銀河の分類としては「S0/Sa」とされ、これはS0(レンズ状銀河)とSa(渦巻銀河の1種)の中間の位置づけです。白く光っている部分は「バルジ」で、大きくぼんやりと広がっている様はレンズ状銀河のようでもあり、一方で黒い筋のような「ダストレーン」(またはダークレーン)は渦巻銀河のようでもあります。

他の銀河と同様にUGC 12591も回転していますが、この銀河で特徴的なのはその回転速度で、秒速480キロメートルと言われています。私たちの銀河系の回転速度はおよそ秒速220から240キロメートルとされていますので、ほぼ2倍の速度です。銀河は星やダストなどがお互いに重力で引き合いながら回転していますが、それらがばらばらにならずに1つの銀河として存在するためにはある程度の質量が必要となり、このことを利用して回転速度から銀河の質量を見積もることができます。UGC 12591の場合、これだけの回転速度を保つには私たちの銀河系の数倍の質量が必要となる計算です。

UGC 12591がなぜこのような速度で回転しているのかはまだ解明されていません。この銀河の周辺にあった物質が長い時間をかけて降り積もり成長したのか、あるいは銀河の衝突といった大きなイベントがあって急激に成長したのか、今後もさらなる観測・研究が期待されています。

 

Image Credit: NASA, ESA, Hubble; Processing & Copyright: Leo Shatz
Source: NASA
文/北越康敬

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