小惑星リュウグウ、表面の岩はほとんどがスカスカだった

sorae.jp / 2020年3月18日 11時0分

はやぶさ2が撮影した小惑星リュウグウ(Credit: JAXA、東京大学など)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が2度に渡るサンプル採取を実施した小惑星「リュウグウ」。今回、はやぶさ2の観測データを分析した結果、リュウグウ表面の岩の大半が当初の予測に反して隙間の多いスカスカな岩だったとする研究成果が発表されました。

■塵から惑星が形成される、その途中の姿にあたる可能性

岡田達明氏(宇宙科学研究所、JAXA)らの研究チームは、はやぶさ2に搭載されている中間赤外線カメラ「TIR」によって取得された赤外線観測データを使い、リュウグウの表面にある物質の熱慣性(物の温まりやすさ・冷めやすさの指標)を調べました。リュウグウ全体を1回転分観測したデータを分析した結果、リュウグウの表面にある岩も土壌も熱慣性がとても低い、すなわち「温まりやすく冷めやすい」物質でできていることが判明しました。

これは、リュウグウの表面が隙間の多い低密度な物質で覆われていることを意味するといいます。当初、リュウグウの表面は熱慣性が高い(温まりにくく冷めにくい)高密度な岩などに覆われていると考えられていましたが、実際には温まりやすく冷めやすい、スカスカな岩ばかりが転がっていたことになります。

リュウグウは有機物を多く含み、太陽系が形成された頃の物質も残されているとみられる「C型」に分類される小惑星ですが、太陽系の形成当初から今の姿をしていたのではないと考えられています。今回の研究では、ふわふわとした塵が集まって形成されたリュウグウの元になった天体(母天体)も内部が比較的スカスカで、中心部分だけがやや圧縮されて密度が高くなっていたと予想。この母天体が他の小惑星との衝突などによって破壊され、その破片がゆるく集まったことで現在のリュウグウが形成されたとみており、「小さな塵から惑星が形成されるまで」の途中にあたる姿なのではないかとしています。

リュウグウができるまでの過程を示したイメージ図。(3)に示されているリュウグウの母天体も、中心付近以外は隙間が多かったとみられている(Credit: Okada et al., Nature 2020)

また、はやぶさ2の中間赤外線カメラによる観測では表面のごく一部(1パーセントほど)に周囲より摂氏20度以上温度が低い岩も確認されており、これらは熱慣性が高い、すなわち密度が高い物質でできているとみられています。研究に参加したJörn Helbert氏(ドイツ航空宇宙センター)は、こうした高密度な岩はリュウグウの母天体中心部で圧縮された物質に由来するか、リュウグウの母天体以外のどこかからもたらされた可能性があるとしています。

太陽系初期の様子や、塵からどのように惑星が形成されたのかについての知識が得られると期待されている、はやぶさ2によるリュウグウの観測とサンプル採取。今年の12月に予定されているサンプルの地球到着を前に、観測による成果が徐々にもたらされつつあります。

 

Image Credit: JAXA、東京大学など
Source: JAXA / DLR
文/松村武宏

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング